• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

肺高血圧症に関連するBMPによる転写制御のChIP-seq解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790750
研究機関東京大学

研究代表者

鯉沼 代造  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80375071)

キーワードシグナル伝達 / ゲノム / 内科 / 病理学 / 循環器・高血圧
研究概要

特発性肺高血圧症における遺伝子異常としてTGF-(8)ファミリーの一つBMPシグナルの異常が明らかとなっているが、如何にこのシグナル異常が病態と関連するのかいまだ十分に明らかになっていない。本研究はこの疾病の病変の首座である肺動脈血管平滑筋細胞や血管内皮細胞におけるBMPシグナル下流のシグナル伝達分子Smad1,Smad5の結合部位を、次世代シーケンサーを用いたChIP-seq法による網羅的解析により同定して、病態へのBMPシグナルの関与を明らかにすることを目的としている。平成23年度は肺動脈血管平滑筋細胞及び血管内皮細胞を用いたSmad1/5のChIP-seqデータをもとに同定した病態に関与している可能性のある新規の標的遺伝子について、その役割につきsiRNAを用いた検討を行った。その結果BMP刺激による肺動脈平滑筋細胞の分化マーカー発現がこの遺伝子のノックダウンにより抑制されることを見出した。siRNAのトランスフェクションによる非特異的な作用も否定できないため、この遺伝子の阻害剤の投与を行ったところ、BMP刺激による分化マーカー発現が抑制され、siRNAによる検討と合致する結果であった。またこの遺伝子の産生する細胞外分泌因子をELISAで定量評価するとBMP刺激により増加することが確認された。以上のことからこの遺伝子がBMPシグナルによって直接誘導され、肺動脈平滑筋細胞の分化を促進する因子を分泌し、cell autonomousにBMPの作用に対してfeed-forwardに働いていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ChIP-seq reveals cell type-specific binding patterns of BMP-specific Smads and a novel binding motif2011

    • 著者名/発表者名
      Masato Morikawa
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

      巻: 39 ページ: 8712-8727

    • DOI

      10.1093/nar/gkr572

    • 査読あり
  • [学会発表] 次世代シーケンサーが明らかにするTGF-βファミリーシグナルの転写制御機構2012

    • 著者名/発表者名
      鯉沼代造
    • 学会等名
      第27回つくば分子病理学セミナー
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県)(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-08

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi