研究課題
肺癌診療において^<18>F-FDG PETは、病変検出や良悪性の鑑別において非常に重要な役割を果たしており、我々もこれまでに^<18>F-FDG PETの肺結節診断における有用性を報告している。FDGはグルコースの類似体であり,グルコースと競合しGLUTを介して細胞内に取り込まれる。腫瘍組織におけるFDGの集積には(1)GLUTの発現をはじめとした糖代謝の程度、(2)腫瘍組織内の血流量、(3)細胞のviability、(4)細胞密度など様々な要因が影響を与えると考えられる。これらの要素が組み合わさり、腫瘍それぞれのFDG集積度あるいは腫瘍内のFDG分布に差が出ることが予想される。^<18>F-FLTはThymidineのアナログであり細胞増殖のマーカーとして考えられている。腫瘍内の増殖の盛んな部位とそうでない部位があることが予想され、FLTに関しても腫瘍内の分布の不均一が存在することが予想される。この分布のパターンは腫瘍の特性(組織型や分化度など)や予後を表している可能性がある。本研究では非小細胞肺癌における^<18>F-FLTと^<18>F-FDGの腫瘍への集積度の関係が治療反応性や予後と関連する可能性があり、これをを検証することを大きな目的としている。初年度は2011年3月現在、総数述べ20症例の集積を行っており、治療効果の評価、生命予後の調査を継続している。平成23年度も症例集積を蓄積し、病理所見との対応などを評価していく予定である。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (30件)
Intern Med
巻: 49 ページ: 2333-2336
呼吸器&循環器ケア
巻: 10 ページ: 17-21