研究課題/領域番号 |
22790752
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
梅田 幸寛 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (80401975)
|
キーワード | 非小細胞肺癌 / 18F-FLT PET / 18F-FDG PET / 治療効果予測 / 予後予測 / 診断 |
研究概要 |
肺癌診療において^<18>F-FDG PETは、病変検出や良悪性の鑑別において非常に重要な役割を果たしており、我々もこれまでに^<18>F-FDG PETの肺結節診断における有用性を報告している。FDGはグルコースの類似体であり,グルコースと競合しGLUTを介して細胞内に取り込まれる。腫瘍組織におけうFDGの集積には(1)GLUTの発現をはじめとした糖代謝の程度、(2)腫瘍組織内の血流量、(3)細胞のviability、(4)細胞密度など様々な要因が影響を与えると考えられる。これらの要素が組み合わさり、腫瘍それぞれのFDG集積度あるいは腫瘍内のFDG分布に差が出ることが予想される。 ^<18>F-FLTはThymidineのアナログであり細胞増殖のマーカーとして考えられている。腫瘍内の増殖の盛んな部位とそうでない部位があることが予想され、FLTに関しても腫瘍内の分布の不均一が存在することが予想される。この分布のパターンは腫瘍の特性(組織型や分化度など)や予後を表している可能性がある。 本研究では非小細胞肺癌における^<18>F-FLTと^<18>F-FDGの腫瘍への集積度の関係が治療反応性や予後と関連する可能性があり、これを検証することを大きな目的としている。 初年度は2012年3月現在、総数述べ29症例の集積を行っており、治療効果の評価、生命予後の調査を継続している。平成24年度も症例集積を蓄積し、病理所見との対応などを評価していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定では23年度までに40症例を集積する予定であったが、現在まで29症例にとどまり、24年度も症例集積を予定している。
|
今後の研究の推進方策 |
治療効果判定への応用を試みていたが、FLT-PETの結果がFDG-PETより不良であり、この原因を究明するため、腫瘍の遺伝子発現とThymidine kinase-1発現との関連を検討する予定である。 また、2時相FLT-PET画像に関しても検討を加える予定。
|