研究概要 |
気管支喘息モデルマウスをBALB/cマウスにダニ抗原30μgを週3回3週間点鼻して作成した。気管支喘息モデルマウスではダニ抗原非暴露マウスと比較して有意な気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多、気道過敏性の亢進を認めた。TPEN治療による効果について1回投与量を2.5~10mg/kgまで段階的に検討を行い、7.5mg/kgで気管支肺胞洗浄液中の好酸球減少も認められたが、再実験において再現性は得られなかった。次にダニ抗原をDay0,14に腹腔内投与しDay21,22,23に点鼻する喘息モデルマウスでも同様にTPENの効果をみたが、有意な好酸球減少効果を認めなかった。 間質性肺炎モデルマウスをC57BL/6マウスに1.5mg/kgのブレオマイシンを気管内投与して作成した。間質性肺炎モデルマウスにおけるTPEN投与では溶媒のみ投与のコントロールマウスと比較して気管支肺胞液中の細胞数、細胞分画には有意な差を認めなかった。肺の線維化の指標であるハイドロキシプロリン量はTPEN投与群で有意差を認めないもののやや高値であった。 気管支喘息モデルマウスに対するTPEN投与ではOVAを用いた急性喘息モデルマウスでは効果を認めたものの、ヒト喘息により近いとされるダニ抗原モデルマウスでは効果を認めず、生体内亜鉛制御による気管支喘息治療応用のためには更なる分子機構の解明が必要であると考えられた。また間質性肺炎モデルマウスではTPENの効果は認められなかった
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