細胞骨格であるサイトケラチン(CK)が肺癌細胞株の浸潤能に及ぼす影響について検討するために、A549、HI1017に対してマトリゲルアッセイを行った。繰り返しマトリゲルに通して浸潤能を高めた細胞株は、いずれも細胞自体が小型化しCK-8、18の発現量も減少していた。逆に通常CK-19を持たないHI1017に外因性にCK-19を発現させると浸潤能は抑制された。RNA干渉を用いてHI1017におけるCK-8ないしCK-18の発現を抑制すると浸潤能は高まった。以上の結果から、肺癌細胞の浸潤能はCKの発現量と密接に関係しており、CKの発現量を調節することが非小細胞肺癌の治療に生かせる可能性を見出した。
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