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2010 年度 実績報告書

SOCS分子を用いた悪性胸膜中皮腫の遺伝子治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22790775
研究機関独立行政法人 医薬基盤研究所

研究代表者

岩堀 幸太  独立行政法人 医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部・免疫シグナルプロジェクト, 研究員 (80566448)

キーワード悪性胸膜中皮腫 / 遺伝子治療 / SOCS(Suppressor of cytokine signaling)
研究概要

SOCSアデノウイルスベクターを用いて悪性胸膜中皮腫細胞株においてSOCS分子を強制発現させた結果、細胞増殖抑制効果がみられ、アポトーシス誘導、細胞周期制御、細胞浸潤抑制がみとめられた。この分子メカニズムとしてJAK/STAT3、ERK、FAKシグナル伝達経路の抑制がみられ、さらにSOCSがp53と相互作用し、p53の発現を亢進していることを明らかにした。これらの結果をもとに、ヌードマウスの胸腔内に悪性胸膜中皮腫細胞株を移植して、悪性胸膜中皮腫モデルマウスを作成し、SOCSアデノウイルスベクターを胸腔内投与した結果、コントロールのLacZアデノウイルスベクター投与マウスと比較して有意に胸腔内腫瘍重量の低下がみられた。以上の結果から、in viroおよびin vivoにおいてSOCSアデノウイルスベクターが悪性胸膜中皮腫に対して様々なメカニズムで抗腫瘍効果を発揮することを明らかにした。過去においてSOCS分子の悪性胸膜中皮腫に対する抗腫瘍効果をin viroおよびin vivoの両面において明らかにした研究はなく、本研究は悪性胸膜中皮腫の新規治療法開発につながる意義をもつ研究である。悪性胸膜中皮腫は胸腔内で進展するが、遠隔転移が生じにくいという特徴があるため、本研究における悪性胸膜中皮腫に対するSOCSアデノウイルスベクターの胸腔内投与モデルは悪性胸膜中皮腫の局所療法として実地臨床への応用が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Overexpression of SOCS3 exhibits preclinical antitumor activity against malignant pleural mesothelioma

    • 著者名/発表者名
      Iwahori K, et al.
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] SOCS-3 protein exhibits preclinical anti-tumor activity in malignant pleural mesothelioma2010

    • 著者名/発表者名
      Iwahori K, et al.
    • 学会等名
      The 10th International Conference of the International Mesothelioma Interrest Group
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-09-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.nibio.go.jp/news/2010/10/000033.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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