【目的】早期のCKDの指標として蛋白尿が重要であるが、尿中蛋白プロファイルの詳細な解析(尿プロテオーム解析)はなされておらず、その臨床的意義には不明な点が多い。本研究では、慢性腎臓病の病態解明と進行リスクの評価に尿プロテオーム解析が有用か検討する。 【方法】対象は2003年に住民健診を受診した山形県高畠町一般住民500人と当院加療中のCKD患者200人。質量分析計を用いて尿プロテオーム解析を行い腎予後を追跡調査する。 【現時点までの結果】 1、現在まで、健常者、種々のCKD患者50例の尿プロテオーム解析を行った。プロテオームパターンは疾患毎に大きく異なることが示唆された。 2、検診サンプルを用いた検討では、年間の腎機能低下が大きい群では小さい群に比べて尿プロテオームのピークの数が多く、シグナルが強いことがわかった。 3、尿蛋白電気泳動のゲルを切り出し質量分析計で検討したところ、アルブミンとハプトグロビンのフラグメントであることが明らかになった。 4、腎疾患患者において、尿プロテオームのピークパターンが、尿蛋白の程度、腎の障害部位と関連した。 5、検診サンプルにおいて、尿プロテオームパターンが1年後の腎機能変化と関連を示した。 【今後の展望】尿プロテオーム解析が、CKDの診断、病態解明、予後評価に有効であることが明らかとなれば、腎生検不能例や健診などマススクリーニングにも応用可能と思われる。
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