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2010 年度 実績報告書

薬剤性急性腎障害モデルでのバイオマーカーの検討

研究課題

研究課題/領域番号 22790780
研究機関東京大学

研究代表者

根岸 康介  東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (40572219)

キーワード急性腎障害 / 薬剤性腎障害 / ヨード造影剤 / 脂肪酸結合蛋白 / 過酸化脂質
研究概要

本研究では、3種類の薬剤性急性腎障害(AKI)モデルにおいて新規尿バイオマーカーを経時的に測定し、組織学的な腎障害の早期診断および重症度予測に対する有用性を各バイオマーカーについて検討するとともに、複数の尿バイオマーカー測定値を組み合わせたパネル化による評価方法の有用性について統計解析手法を適用して検討することを目的とする。
L-FABP変異型マウスによる重症化造影剤AKIモデルを作成し、経時的に採血するとともに代謝ケージを用いて蓄尿してBUN、尿NAG、尿L-FABPを測定した。また、造影剤投与12時間後、CCD videomicroscopeで傍尿細管血管係蹄の赤血球流速を計測したところ、対照群と比較して造影剤群で尿L-FABPは61.3倍まで著明な増加を示す一方、血流速度は造影剤群で有意な低下を認め、Log変換尿L-FABPと血流速度に有意な逆相関を認めた。腎組織所見では造影剤群に尿細管上皮細胞の空胞変性と近位尿細管でのL-FABP発現増加、HHEなどの過酸化脂質沈着が見られた。また、L-FABP変異型マウスによる造影剤AKIモデルでは、造影剤投与量増加とともに尿細管障害が高度になり、尿L-FABPも用量依存性の増加が認められた。さらに、バンコマイシンやゲンタマイシンによる薬剤性AKIにおいても組織学的な尿細管障害所見に伴って尿L-FABPが増加することを確認した。尿L-FABPは薬剤による腎毒性や腎血流速度の低下を反映して尿中に検出される腎障害バイオマーカーとして有用であることが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 薬剤に起因する急性腎障害2011

    • 著者名/発表者名
      根岸康介
    • 雑誌名

      腎と透析

      巻: 70 ページ: 367-72

    • URL

      http://www.tokyo-igakusha.co.jp/

  • [雑誌論文] 急性腎障害(特集腎臓学この一年の進歩)2011

    • 著者名/発表者名
      土井研人, 根岸康介, 野入英世
    • 雑誌名

      日本腎臓学会誌

      巻: 53 ページ: 18-24

    • URL

      http://www.jsn.or.jp/journal/

  • [雑誌論文] 敗血症に伴う新規急性腎障害バイオマーカーとしての尿脂肪酸結合蛋白2010

    • 著者名/発表者名
      土井研人, 根岸康介, 他
    • 雑誌名

      救急医学(クリティカル ケア メディシン)

      巻: 39 ページ: 2037-42

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス造影剤腎障害における尿L-FABPと腎皮質傍尿細管血流速度の測定2011

    • 著者名/発表者名
      根岸康介
    • 学会等名
      国際腎臓学会
    • 発表場所
      カナダ,バンクーバー
    • 年月日
      2011-04-10
  • [図書] CRRTポケットマニュアル2011

    • 著者名/発表者名
      野入英世, 花房規男, 根岸康介, 他
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      医歯薬出版株式会社

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公開日: 2013-06-26  

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