研究課題
本研究は肥満など、遺伝性高血圧の原因となるWNK-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケードが高インスリン状態において活性化することにより、肥満やメタボリック症候群における塩分感受性高血圧の一因になることを検討する。全体としては、以下の3つに大きく分けられる。1:細胞レベルでの新規Insulin-WNK-NCCリン酸化カスケードの研究mpkDCT細胞においてInsulinが内因性のSPAK,NCCのリン酸化を亢進する事を明らかにした。Insulin投与でリン酸化亢進するWNK4のRxRxxSモチーフのSerineをAspartic acidにしたPhospho-mimicking mutant WNK4とAlaninにしたPhospho-deficient mutant WMK4のvector作成が完了した。これらを用いて、生理的に重要なWNK4内のRxRxxSモチーフを見いだす。2:マウスにおけるInsulin WNK-NCCリン酸化カスケードの研究インスリン投与マウス、肥満/糖尿病モデルマウスにおいてOSR1/SPAK-NCCリン酸化が亢進している事を明らかにした。同時にOSR1/SPAK遺伝子改変モデルマウスでは亢進がなく、インスリン投与NCCリン酸化にOSR1/SPAKが関与している事が明らかになった。さらにPI3K inhibitorの投与で、OSR1/SPAK-NCCリン酸化が抑制される事を発見した。これらはインスリンがPI3Kを介してOSR1/SPAK-NCCリン酸化を亢進する事を生体内で明らかにしており、現在論文投稿中である。さらに、同カスケードが亢進していると考えられるWNK4 R1169C BAC Tgマウスが完成し、現在解析中である。3:メタボリックシンドローム/肥満患者における尿中NCCの研究ヒト、マウスの尿中NCC、リン酸化NCCをエクソソームと膜分画からウエスタンブロッティングで検出する方法を明らかにしたので、各種遺伝子改変モデル、ヒト疾患群での解析に取りかかる。
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