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2010 年度 実績報告書

糖尿病性腎症に対する血管新生抑制因子による腎保護作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790797
研究機関岩手医科大学

研究代表者

川崎 靖  岩手医科大学, 薬学部, 助教 (60385549)

キーワード糖尿病 / 腎疾患 / 血管新生抑制因子
研究概要

血管の維持ならびに正常な血管新生は血管新生関連因子のバランスの上に成り立っている。糖尿病性腎症では血管新生促進因子の上昇と血管新生抑制因子の著しい減少により、血管内皮細胞の傷害、血管新生および血管透過性の亢進が病態の進展と繋がっている。平成22年度はラット腎病変部位への血管新生抑制因子アンジオスタチン運搬システムの構築とアンジオスタチンの腎保護作用機序の解明を目的として以下の実験を行った。
1、ラット腎病変部位へのアンジオスタチン運搬システムの構築
外来性のアンジオスタチンを特異的に検出するために、アンジオスタチンのN末端領域に、Hisタグを付加したHisアンジオスタチンを調製した。Hisアンジオスタチン発現ベクターをCHO細胞へ遺伝子導入し、培養上清よりHis抗体アフィニティーカラムを用いて精製した。得られたHisアンジオスタチンはヒト臍帯血管内皮細胞に対して増殖抑制能を有し、生理活性を有するHisアンジオスタチンが調製できた。しかしながら、リポソームに封入できるほど多量のHisアンジオスタチンの調製が、培養細胞上清からの調製では難しかったため、現在バキュロウィルスによる昆虫細胞を用いた大量調製を検討している。
2、新規アンジオスタチン標的タンパク質の機能解析
アンジオスタチン標的タンパク質としてグリコシル化膜タンパク質(angiostatin-binding protein 1 : ABP1)を同定している。アンジオスタチンとABP1との相互作用を調べるために、in vivoでのアンジオスタチンとABP1の結合を調べた。FlagタグABP1を過剰発現させたCHO細胞に、Hisアンジオスタチンを反応させ、お互いの局在を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、アンジオスタチンとABP1が細胞膜上で共局在することが明らかとなった。一方で、組換え体ABP1を10倍あるいは100倍量添加すると、HisアンジオスタチンとFlagタグABP1の共局在が著しく抑制されたことより、実際にin vivoでABP1とアンジオスタチンが結合していることが明らかとなった。

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公開日: 2012-07-19  

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