研究課題
本年度は、一昨年度および昨年度行った、IgA腎症自然発症モデルマウス“grouped ddY mouse (gddY)”(J Am Soc Nephrol. 2005)における補体経路の関与を詳細に検討した結果を、論文化して発表(Am J Pathol. 2012)した。次に本年度は、昨年度繁殖したマウスに対し骨髄移植を行う前段階として、コントロールであるWild TypeC57Bl/6に対してgddYの骨髄移植を行い、骨髄が置換されていることを確認する作業を行った。方法としては、骨髄移植は、我々が従来から行っているプロトコル(Kidney Int. 2007)を用いた。骨髄が置換されていることの確認は、末梢血、脾臓および骨髄細胞を用いて、FACSにてC57Bl/6マウスのMHC-ClassII抗原のH2-Db陽性細胞が、gddYの細胞に置き換わり消失しているかどうかを確認した。結果としては、従来のプロトコルでは骨髄が置換されていなかった。原因として今まで我々が移植レシピエントとして使用していたマウスはBalb/cマウスであり、今回使用したマウスとは系統が違うため、放射線感受性の違いによるレシピエントの骨髄破壊が不十分であった可能性が考えられた。そのため、様々な線量をマウスに照射したところ、C57BlマウスはBalb/cマウスと比較し放射線感受性が低いことが判明した。この結果を受け、再度骨髄移植を行ったところ、レシピエントの骨髄はgddYの骨髄に置換されていることが確認できた。骨髄移植を確実に行える方法が確立したので、実際にMBLノックアウトマウスを用いgddYの骨髄を移植して、現在、移植後の経過を観察している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
The American Journal of Pathology
巻: 181 ページ: 1338-47
10.1016/j.ajpath