研究課題/領域番号 |
22790806
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
溝渕 正英 昭和大学, 医学部, 助教 (90465203)
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キーワード | 血管石灰化 / 慢性腎臓病 / 心血管病変 / エラスチン分解 / MMP-2 / 活性型ビタミンD |
研究概要 |
我々は、これまで、血管中膜の弾性層板を主成分であるエラスチンの分解と血管平滑筋細胞の形質転換の関連性に注目し、平成22年度には部分腎摘出ラットの血管石灰化部位のエラスチン分解とMMP-2(matrix metalloproteinase-2)発現の関連性を明らかにした。そこで、平成23年度は活性型ビタミンD製剤の抗炎症作用に着目し、高リンおよび炎症性サイトカインのTNF-αにて刺激した血管平滑筋細胞に対する活性型ビタミンD製剤の作用について検討した。血管平滑筋細胞は高リン(2-5mW)およびTNF-α(10 ng/ml)添加培地による9日間の培養にて骨芽細胞様細胞への形質転換を伴って石灰化が促進した。マキサカルシトールおよびカルシトリオールは濃度依存性(10-7~10-9 M)にこの石灰化を抑制した。また高PおよびTNF-α刺激により血管平滑筋細胞のMMP-2遺伝子発現やMMP-2分泌が促進したが、活性型ビタミンD製剤はMMP-2を抑制し、その抑制はマキサカルシトールで顕著であった。血管平滑筋細胞のビタミンD受容体の遺伝子レベルの発現には活性型ビタミンD製剤は影響しなかった。また、高リンのみによる血管平滑筋細胞の石灰化誘導系には活性型ビタミンD製剤は石灰化抑制効果を発揮しなかった。以上より、高リンおよびTNF-αによる血管平滑筋細胞の石灰化を活性型ビタミン製剤は抑制し、その抑制効果には測P-2阻害が関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は動物実験により腎不全病態下における血管石灰化とエラスチン分解の関連性を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
ビタミンDアナログの血管石灰化抑制効果をin vivo系において検討する予定である。
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