脳梗塞に対する新規神経保護薬リチウムの組織プラスミノーゲン・アクチベーター(t-PA)との併用療法について検討するため、よりヒトに近い動物モデルの確立を行った。種々の条件を検討した結果として、t-PAにより血栓溶解を起こし脳虚血の改善が得られ、かつ脳虚血からある程度の時間が経過した場合には逆に脳出血を含めたt-PAの副作用により脳虚血性障害が増悪する、といったヒトでの脳塞栓に近い状態をできるだけ再現することに成功した。また局所脳虚血モデルへの炭酸リチウム投与はアポトーシスによる神経細胞死を抑制したが、この保護効果は従来報告されているAktの活性化を介していないことが示唆された。 本研究結果は2012年Aging and Disease誌(査読有り)にて論文発表した。
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