研究課題
[目的]アルツハイマー病(AD)ではアミロイドβ蛋白(Aβ)の単量体が数個から数十個凝集したオリゴマーの神経毒性が特に注目されている。オリゴマー状態は不安定であるため、その検討が難しい。photo-induccd cross-linking of unmodilied proteins (PICUP)法は光触媒を用いて、蛋白を共有結合させることでオリゴマー化させる方法である。我々はPICUP法を用いてADの中枢神経系にAβのオリゴマー化を促進する喋境がある可能性について、患者の脳脊髄液を用いて検討した。[方法]PICUP法を用いて、脳脊髄液のAβ_<1-40>およびAβ_<1-42>のオリゴマー化に対する影響を検討した。電気泳動および銀染色後にデンシトメトリーを行い、33例のAD患者と対照として年齢を適合させた33例の非認知症性疾患患者の脳脊髄液のAβのオリゴマー化に対する抑制効果を比較した。[結果および考察]ヒト脳脊髄液は両者ともAβ_<1-40>およびAβ_<1-42>のオリゴマー化を抑制した。更に、脳脊髄液のAβオリゴマー化の抑制効果はAβ_<1-40>およびAβ_<1-42>の両者において、AD患者の脳脊髄液が対照群よりも有意に弱かった。AD患者はAβのオリゴマー化を促進する脳脊髄液環境を打しているものと推察され、今後、脳脊髄液中の抑制物質の同定が必要である。[結論]AD患者はAβのオリゴマー化を促進する脳脊髄液環境を有しているものと推察された。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (8件)
Neurosci Lett
巻: (印刷中)
Dement Geriatr Cogn Disord
巻: 30 ページ: 285-292
J Alzheimers Dis
巻: 22 ページ: 653-661
J Biol Chem
巻: 285 ページ: 23186-23197
J Alzheimcrs Dis
巻: 21 ページ: 81-86
CNS Neurosci Ther
巻: 16 ページ: 285-297