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2011 年度 実績報告書

GFAP遺伝子変異によるグリア細胞の機能変化およびその修飾因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790825
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

吉田 誠克  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90457987)

キーワード脳・神経 / アレキサンダー病 / 脳神経疾患 / 希少難病 / GFAP / ショウジョウバエモデル / プロモーター遺伝子 / グリア細胞
研究概要

本年度は変異(GFAP導入グリア細胞モデルおよび患者DNAを用いて修飾因子の検索を行い、その修飾因子のグリア細胞に対する役割を明らかにすることを計画した。アストロサイトーマのcell lineに変異GFAP(V87G,R88C,R416W)を導入して施行したDNAチップ解析ではproteoIipid protein1やS100Bの発現量減少、R416WではαBクリスタリンの発現量増加が認められた(αBクリスタリンについてはGFAP凝集抑制に働く重要な因子としてすでに報告がある)。また、GFAPの発現量増加のみでもGFAP異常凝集が生じることから、GFAP遺伝子の重複の有無についてリアルタイムPCRを用いて患者DNAのGFAP遺伝子量を検討したが、患者群と対照群にて有意な差は認めなかった。GFAP転写開始250bp上流のプロモーター遺伝子多型のうち、Aアレルではactivator protein-1結合部位が新たに発現することによりGFAP発現量が変化することが報告されているが、われわれは患者検体でプロモーター遺伝子解析を行い、臨床経過と比較検討した。結果、重症例ではC/Cアレルを有する傾向が示され、プロモーター遺伝子多型が変異GFAPをもつアレキサンダー病の修飾因子の一つである可能性が示唆された。本研究成果より分子シャペロンやGFAP凝集体そのものが治療標的になりうることを示したことが示された。なお、今後の研究の展開としては、最近のアストロサイトに関する知見から、培養細胞を用いた修飾因子の検討を行うに際してアストロサイト単独でなく、ニューロンや血管などとの相互作用を含めた検討を行うことで病態解明を試みる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Clinical aspects and pathology of Alexander disease, and morphological and functional alteration of astrocytes induced by GFAP mutation2011

    • 著者名/発表者名
      Tomokatsu Yoshida
    • 雑誌名

      Neuropathology

    • DOI

      10.1111/j.1440-1789.2011.01268.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nationwide survey of Alexander disease in Japan and proposed new guidelines for diagnosis2011

    • 著者名/発表者名
      Tomokatsu Yoshida
    • 雑誌名

      Journal of Neurology

      巻: 258 ページ: 1998-2008

    • 査読あり
  • [学会発表] アレキサンダー病の臨床・病理およびGFAP遺伝子変異がアストロサイトにもたらす形態・機能異常2011

    • 著者名/発表者名
      吉田誠克
    • 学会等名
      第52回日本神経病理学会総会学術研究会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011-06-02
  • [学会発表] アレキサンダー病の全国有病者数調査および二次調査結果-乳児型、若年型を中心に-2011

    • 著者名/発表者名
      吉田誠克
    • 学会等名
      第53回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-05-28
  • [学会発表] 変異GFAP導入によるAlexander病ショウジョウバエモデル作成2011

    • 著者名/発表者名
      笹山博司
    • 学会等名
      第52回日本神経学会学術大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2011-05-18

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公開日: 2013-06-26  

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