研究課題
脳梗塞傷害時と再生過程におけるlaminn alpha1の発現パターンを解析することで、虚血病態との関連性を解明する事を目的とし、研究を行った。8週齢のC57BL6マウスの中脳大動脈を一時的にシャントし、脳虚血モデルを作製した。免疫染色法により、作製した脳虚血モデルマウスの虚血傷害時と再生過程におけるlaminin alpha1の発現解析を行った結果、傷害後6時間ではlaminin alpha1の発現が認められなかった。傷害後24時間より主に新生血管基底膜にlaminin alpah1の発現が認められ、傷害の再生がおこる7日後においても持続的に新生した血管基底膜に発現が認められた。これらの結果から、傷害後におこる脳血管の新生にlaminin alpha1が関与していることが強く示唆された。また、傷害部位における一部がlaminin alpha1を発現していることを明らかにした。次に、脳虚血時におけるlaminin alpha1の発現の意義を検討するため、laminin alpha1コンディショナルノックアウトマウスを作製した。lamininalpha1コンディショナルノックアウトマウスの脳における異常を検討した結果、小脳の形成全が認められた。また、大脳においては、野生型マウスと比較して顕著な差は認められなかった。これらの結果から、laminin alpha1コンディショナルノックアウトマウスへの脳梗塞モデル作成が可能であることが明らかになった。以上の結果から、脳梗塞傷害時と再生過程において、lamininalpha1が血管の新生とミクログリアの集積に関与していることが示唆され、再生に向けたリモデリングに重要であることが明らかとなった。
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Matrix Biology
巻: 31 ページ: 17-28
Journal of Biomedicine and Biotechnology
ページ: 253048
Leukimia
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