研究課題
孤発性パーキンソン病は、100-120人/10万人の高い頻度を示す神経変性疾患であり、疾患の進行抑制を含む根本的な治療法は存在しない。人口の高齢化に伴いその患者数は増加し、発症機序の解明や治療法の開発が強く求められている。パーキンソン病の発症機序には、近年ミトコンドリア機能不全やミトファジーの関与が指摘されている。本研究では、家族性パーキンソン病原因遺伝子の一つであるPINK1遺伝子欠損マウスより得たマウス胎仔由来線維芽細胞(MEFs)をパーキンソン病モデル細胞とし、この細胞のミトコンドリア機能が野生型と比較してどのように変化しているのかを調べた。PINK1欠損型ではミトコンドリアの膜電位が低下しおり、ミトコンドリアの機能が低下していることが示唆された。Modular Kinetic Analysisによりミトコンドリア機能を定量化することで、膜電位低下の原因がプロトンリークによるものではなく呼吸鎖機能の低下によるものであることを明らかにした。また、PINK1欠損型細胞のミトコンドリアでは活性酸素を発生する割合が高く、それらは主に呼吸鎖複合体Iに由来していた。
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