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2010 年度 実績報告書

インスリン抵抗性の形成におけるCCR5とCX3CR1の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22790854
研究機関金沢大学

研究代表者

太田 嗣人  金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 特任助教 (60397213)

キーワード炎症 / インスリン抵抗性 / ケモカイン / 脂肪組織 / 肥満 / 糖尿病 / 脂肪肝 / マクロファージ
研究概要

本研究では、糖尿病やメタボリックシンドロームに共通する基本病態である慢性炎症に着目し、肥満により誘導される炎症がどのように糖脂質代謝の恒常性を破綻させるかというメカニズムを解明することを目的としている。肥満による炎症とインスリン抵抗性をリンクする分子としてケモカインとその受容体に着目し、肥満によるインスリン抵抗性の病態形成に密接に関与する新規ケモカインシステムの同定とその機能解析を行っている。
本年度は、肥満モデルマウスの脂肪組織では、すでに報告されているCCR2系とは独立して、CCケモカインであるCCR5とそのリガンドが増加していることを見出した。次に、肥満によるインスリン抵抗性の形成におけるCCR5の重要性を明らかにするために、CCR5欠損マウスの代謝表現型の解析を行った。高脂肪食を負荷し肥満を誘導したCCR5欠損マウスでは、対照マウスに比べて、脂肪組織へのマクロファージの浸潤が減少しインスリン抵抗性と耐糖能異常が減弱することを明らかにした。さらに、肥満のCCR5欠損マウスの脂肪組織では、TNF-αの発現低下、MAPキナーゼ、NF-κBシグナル増強の抑制、小胞体ストレスの減弱がみられ、また、肝臓の脂肪蓄積が減少していた。すなわち、CCR5の欠損により、総じて肥満に伴う全身のインスリン抵抗性および糖脂質代謝異常の発症は抵抗性を示すことから、肥満による炎症の誘導とインスリン抵抗性の形成において、ケモカイン受容体CCR5によるシグナルが重要であることを明らかにした(第70回アメリカ糖尿病学会(ADA)口演)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A liver-derived secretory protein, selenoprotein P, causes insulin resistance.2010

    • 著者名/発表者名
      Misu H
    • 雑誌名

      Cell Metab

      巻: 12 ページ: 483-495

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of pioglitazone on muscle sympathetic nerve activity in type 2 diabetes mellitus with alpha-glucosidase inhibitor.2010

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi D
    • 雑誌名

      Auton Neurosci

      巻: 158 ページ: 86-91

    • 査読あり
  • [学会発表] CCR5 ablation prevents insulin resistance induced by high-fat feeding or leptin deficiency2010

    • 著者名/発表者名
      太田嗣人
    • 学会等名
      米国糖尿病学会(ADA)
    • 発表場所
      Orange County Convention Center(米国)
    • 年月日
      2010-06-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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