研究概要 |
各耐糖能群にグルコースクランプ検査を施行し、累計として2型糖尿病患者(T2DM) 45例、耐糖能異常者(IGT) 17例、正常耐糖能(NGT) 44例の合計106例において、インスリン分泌能および抵抗性の評価を行った。高血糖クランプ法で評価された第1相インスリン分泌(開始10分間のAUC IRI)は、NGT 333±172、IGT 315±151、T2DM 100±98 μU/ml・minと有意にT2DMで低下していた(P<0.001)。また高インスリン正常血糖クランプ法では、インスリン感受性指数(Insulin sensitivity index:ISI)は、NGT 0.14±0.40 、IGT 0.08±0.04、T2DM 0.07±0.03と有意にIGTおよびT2DMで低下していた(P<0.05)。高血糖クランプによる第1相インスリン分泌と、高インスリン正常血糖クランプによるISI の積である新規インスリン分泌評価法disposition index(C-DI;clamp PAI)は、NGT 43.0±19.5、IGT 24.3±15.3、T2DM 5.6±4.9 と3群間で有意な差を認めた(P<0.001)。 また、既知の2型糖尿病感受性SNPsをTaqman PCR法によりタイピングし、C-DI(clamp PAI)をはじめとする各指標との関連を解析した。KCNQ1 rs2237892のgenotypeにより3群間で解析したところ、I.I.はT2DM, IGT, NGTいずれにおいても有意差を認めなかったが、C-DI(clamp PAI)はIGTにおいて、CC群 11.8±5.7 、CT群 18.8±11.4、TT群 45.6±11.3 とリスクアリルを保持するCC群およびCT群は非保持者であるTT群より有意に低値であった(P<0.05)。
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