BMP-15はTGF-βスーパーファミリーに属する蛋白で卵巣において卵母細胞に特徴的に発現する因子である。遺伝子異常が不妊の原因となる原発性卵巣機能低下症や二卵性双生児の母親において高頻度に認められることでも注目されている。今回の研究により原発性卵巣機能低下症患者に発見された変異型BMP-15はその蛋白合成・分泌が障害され、生理活性が低下することが明らかとなった。またBMP-15の合成過程における翻訳後修飾に関する検討では翻訳後リン酸化されない蛋白の生理活性が低下することが明らかになった。これらの結果はBMP-15の女性生殖内分泌における作用を解明する上で重要と考えられた。
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