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2010 年度 実績報告書

miR-126によるB細胞分化促進作用機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790904
研究機関東京大学

研究代表者

幸谷 愛  東京大学, 医科学研究所, 助教 (00517477)

キーワードmiRNA / 急性リンパ性白血病 / 細胞運命 / IRS1
研究概要

microRNA(miRNA)は哺乳類では2000年に発見された18-24塩基のsmall non coding RNAである.急性前骨髄性白血病におけるレチノイン酸による分化誘導療法は従来の抗がん剤を用いた"total kill therapy"とは一線を画す画期的な治療法であるが,他の悪性疾患においては有効なものが報告されていない.そこで,難治性急性リンパ性白血病におけるmicroRNAを利用した分化誘導が新規治療法開発に有効であることを示すための研究を開始した.
miR-126は造血幹細胞では高発現しているが,pro-B細胞で発現が低下し,B細胞の分化が進むにつれて発現が増加する.miR-126をB-骨髄系前駆細胞が形質転換したMLL-AF4 ALL細胞に導入した場,CD20,CD19等のB細胞分化マーカーの発現が上昇した.cDNAアレイの結果ではmiR-126を過剰発現した場合,B細胞関連遺伝子群の発現が骨髄細胞関連遺伝子群よりも全体として有意に上昇した.またB細胞分化と共に上昇する転写因子の発現はmiR-126を過剰発現させても変化しなかった.次にマウス骨髄細胞にmiR-126を導入/移植した場合,miR-126導入CD19+細胞が,末梢血,脾臓,骨髄において増加した.同様に胎児肝細胞にmiR-126を導入しTsT4ストローマ細胞上で培養した場合,早期にB細胞に分化した.
miR-126 B細胞分化促進メカニズムを検討し,造血系分化発生におけるmiR-126の役割を転写因子との関連性を明らかにする実験を行ったところ,miR-126は系列にコミットした細胞ではなく,まだ系列にコミットしていない細胞群に対して働くことが明らかとなり,B細胞に運命が決まった細胞の劇的増殖"Robustness"を誘導することが考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Alteration of processing induced by a single nucleotide polymorphism in pri-miR-1262010

    • 著者名/発表者名
      Ratanakanit Harnprasopwat, Harvey Lodish', Daon Ha, Takae Toyoshima, Arinobu Tojo, Ai Kotani, correspondence author, equally contributed.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 399 ページ: 117-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] miRNAs in normal and malignant B cells2010

    • 著者名/発表者名
      Ai Kotani, Ratanakanit Harnprasopwat, Toyotaka Kawamata, Takae Toyoshima, Arinobu Tojo, correspondence author, equally contributed.
    • 雑誌名

      International Journal of Hematology

      巻: 92 ページ: 255-61

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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