白血病再発の原因となる白血病幹細胞(Leukemic Stem Cell : LSC)の根絶を目的とし、LSCの治療抵抗性を外部環境による側面=環境依存性薬剤耐性(Environment-mediated Drug Resistance : EMDR)より検討しLSC特異的新規治療法の確立を試みるため、LSCのin vitroモデルとしてヒトCML由来細胞株をストローマ細胞株MS-5と共培養を行った。 共培養下でBCR-ABL阻害剤であるイマチニブ治療を行ったところ、接着依存性に細胞増殖だけでなくアポトーシスも抑制されることを見いだした。アポトーシス抑制の機序の検討を行い、BCL-2の発現が接着依存性に亢進する事を見いだした。このことからBCL-2がEMDR制御因子として関わっている可能性が示唆され。これに基づきBCL-2阻害薬であるABT-737によるEMDR解除の可能性を検討したところ、ABT-737添加によりMS-5共培養下でのイマチニブ感受性の回復を認めた。 また接着依存性にBCR-ABLのタンパク量が増加しており、さらにRNA合成阻害剤であるアマチニン添加によりBCR-ABLmRNA低下が押さえられて事を見いだした。このことからBCR-ABLmRNA分解が抑制されており、EMDRの原因の一つと考えられた。現在BCR-ABLmRNA転写後の制御目機序について検討している。
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