研究課題/領域番号 |
22790907
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
宮田 泰彦 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (40467303)
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キーワード | 血液腫瘍学 / 薬剤耐性 |
研究概要 |
CML由来細胞株は骨髄間葉系細胞と接着することにより幹細胞に類似したdormancyを獲得し薬剤耐性が誘導された。これらの細胞においては抗アポトーシス活性を持つBCL-2やp53の高発現が認められ、これが薬剤耐性の機序として考えられ、これらを標的とする分子標的療法の可能性が示された。 また骨髄間葉系細胞との接着によりBCR-ABL蛋白の高発現およびBCR-ABL mRNAの半減期延長が認められた。このことは細胞接着がmRNAのpost-transcriptional regulationに関与している可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MS-5との共培養下でのBCR-ABL蛋白レベルの亢進がmRNAの発現亢進を伴っているか定量的PCR法により確認した。さらにmRNAの新規合成を抑制するためRNAポリメラーゼ阻害薬であるα-Amanitinで処理し、共培養下でのBCR-ABL mRNAの減少速度(分解速度)について検討し、共培養下ではBCR-ABL mRNAの分解速度が低下していることを見いだした。これは骨髄微小環境におけるBCR-ABL陽性白血病幹細胞の薬剤性の可能性を見いだせた。 EMDRに重要な分子/経路として同定したp52/p21経路については、in vitroの共培養下でSTI感受性を改善させるかどうかについてはp53阻害薬により検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまで得られた知見が動物モデルや臨床検体において有用であるか、NOGマウスや患者由来検体を用いて検討を行っていく。
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