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2010 年度 実績報告書

難治性リンパ腫の病態に関連する遺伝子群の解明と新規治療標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22790909
研究機関三重大学

研究代表者

宮崎 香奈  三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60571627)

キーワード悪性リンパ腫 / びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / CD5 / マイクロアレイ / 中枢神経系
研究概要

悪性リンパ腫の約70%がB細胞性リンパ腫であり、その予後は抗CD20抗体であるrituximabの導入により飛躍的に改善した。しかしCD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)はrituximab導入以後も予後不良であり、臨床的特徴の一つである中枢神経系(CNS)再発/増悪率は診断後2年時点で11.4%と高率で改善がない。その上、リンパ腫のCNS再発に対する確立した標準治療は皆無である。今回の研究はDLBCLにおけるCD5発現の差異をゲノム網羅的な解析を行い、CD5陽性DLBCLの予後不良性の病因、CNS再発の機序を解明することを目的としている。CD5陽性DLBCL、CD5陰性DLBCLの生検凍結試料よりtotalRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析を行った。その結果、supervised法でのクラスタリングではCD5+ DLBCL群とCD5-DLBCL群の2群に分別された。また、ABC DLBCLにおいても検討を加え、CD5+群とCD5-群の2群に分別しえた。この抽出された特異的な遺伝子セットに対して詳細な検討を行い、機能的な遺伝子グループとして捉えるため、Gene ontology (GO)解析、Gene Set Enrichment解析を施行した。その結果、GOカテゴリーの中で、synapseに含まれる遺伝子がCD5+ ABCDLBCLに最も関連していることが解明された。またこれらの遺伝子セットにsynapseに属する遺伝子に加え、中枢神経系に関係した遺伝子が多数含まれており、CD5陽性DLBCLの高率なCNS再発との関係性が示唆された。現在、同定された遺伝子群の蛋白発現を検討し、免疫組織学的検証を進めている。遺伝子発現との再現性、一致性があるか否か、CNS再発予防を可能とする有効な治療開発への応用可能性をめざした検討を行っている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] CD5-positive diffuse large B-cell lymphoma : aretrospective study in 337 patients treated by chemotherapy with or without rituximab2011

    • 著者名/発表者名
      K.Miyazaki, M.Yamaguchi, R.Suzuki, Y.Kobayashi, A.M.Maeshima, N.Niitsu, D.Ennishi, J-i.Tamaru, K.Ishizawa, M.Kashimura, Y.Kagami, K.Sunami, H.Yamane, M.Nishikori, H.Kosugi, T.Yujiri, R.Hyo, N.Katayama, T.Kinoshita, S.Nakamura
    • 雑誌名

      Annals of Oncology

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] トランスクリプトームを用いた悪性リンパ腫の新たなバイオマーカーの探索2010

    • 著者名/発表者名
      宮崎香奈
    • 雑誌名

      血液フロンティア

      巻: 20 ページ: 1009-1015

  • [学会発表] Gene Expression Profiling of Diffuse Large B-Cell Lymphomas Supervised by CD5 Expression.2010

    • 著者名/発表者名
      Kana Miyazaki, Motoko Yamaguchi, Hiroshi Imai, Satoshi Tamaru, Tohru Kobayashi, Hiroshi Shiku, Naoyuki Katayama
    • 学会等名
      The 52nd annual meeting of American Society of Hematology
    • 発表場所
      Orlando, USA
    • 年月日
      2010-12-06
  • [学会発表] Aretrospective study of 31 patients with NK/T-cell lymphoma : Mie University Hospital experience2010

    • 著者名/発表者名
      Kana Miyazaki, Motoko Yamaguchi, Noriko Ii, Yoshihito Nomoto, Atsushi Yuta, Hiroshi Imai, Masahiro Masuya, Kazunori Nakase, Naoyuki Katayama
    • 学会等名
      第72回日本血液学会総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] 三重大学における節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型31例の治療成績2010

    • 著者名/発表者名
      宮崎香奈、山口素子、伊井憲子、野本由人、湯田厚司、今井裕、中瀬一則、片山直之
    • 学会等名
      第50回日本リンパ網内系学会総会
    • 発表場所
      新潟市
    • 年月日
      2010-06-19
  • [図書] 症例検討を通して学ぶ悪性リンパ腫診療の実際-リンフォーマ井戸端会議から学んだこと-」「Castleman病その診断と治療」症例22010

    • 著者名/発表者名
      宮崎香奈
    • 総ページ数
      125-126
    • 出版者
      メディカルレビュー社

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公開日: 2012-07-19  

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