研究概要 |
1. GFP-LC3をstableに発現しているJurkat細胞クローンの作成;Jurkat細胞下部にオートファジーのマーカーであるであるGFP-LC3を電気穿孔法で遺伝子導入後抗生剤による選択を行いGFP-LC3をstableに発現するJurkat細胞クローン確立した。このGFP-LC3 Jurkat細胞クローンはフローサイトメトリーを用いて容易にオートファジーを検出、定量化できることを確認した。この細胞クローンを用いて種々の細胞ストレスによるオートファジーの誘導の有無を検証できる。現在のところ、アミノ酸欠乏、グルコース欠乏により明らかにオートファジーが誘導できることを確認した。今後は酸化ストレス、DNAダメージ、各種免疫抑制剤によるオートファジーの抑制効果を検討する。 2. オートファジー欠損、オートファジーを起こしやすいJurkat細胞株の樹立;オートファジー関連遺伝子であるAtg5,Atg7,Belin-1,ULK-1,Rubiconを過剰発現、ノックダウンされたJurkat細胞株を樹立した。これらの細胞株を用いることにより種々のストレスによる細胞死におけるオートファジーの役割について検証できるようになった。 3. ヒトプライマリT細胞の培養系の確立;ヒト末梢血単核細胞よりCD4T細胞を分離し抗CD3CD28抗体で刺激し、種々の細胞ストレスによるアポトーシスを解析する系を確立した。 4. pMX-GFP-IRES-mCherryベクターの作成;上述のヒトプライマリT細胞に効率でGFP-LC3を遺伝子導入できる系を確立した。このことによりヒトプライマリT細胞でのハイスループットなオートファジーの定量が可能となり、全身性エリテマトーデスをはじめとする種々の膠原病患者におけるT細胞のオートファジーの定量解析が可能となった。
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