研究概要 |
研究計画に基づき本年度は以下の研究成果を得た。 1)IL-6/Stat3シグナルのIkarosファミリー分子発現への影響: 野生型マウスおよびT細胞特異的Stat3欠損(CD4Cre;Stat3f1f1)マウス由来のCD4陽性T細胞をTreg条件(TGFbeta添加)及びTh17条件(IL-6+TGFbeta)で培養しIkarosファミリー分子の発現を解析ところ、Treg条件においてStat3欠損CD4T細胞では野生型CD4T細胞に比してIKZF2(Helios)の発現が亢進していた。Th17条件において野生型CD4T細胞ではHeliosの発現は抑制されたが、Stat3欠損CD4T細胞ではその発現は抑制されなかった。 2)Helios発現Treg細胞の機能解析 hCD2-Foxp3レポーターマウス由来のCD4T細胞にTreg条件下でHelios発現レトロウイルスあるいはコントロールレトロウイルスを感染させ、Heliosを高発現するTreg細胞(Helioshigh Treg)とcontrol Treg細胞(Helioslow Treg)を作製し機能解析を行った。その結果、a)他のIkarosファミリー分子の発現は、Helioshigh Treg細胞とHelioslow Treg細胞で同等であった。b)Helioshigh Treg細胞では、Helioslow Treg細胞に比して、GITR,CD103などのTreg活性化分子の発現が亢進していた。 以上よりHeliosの発現はTreg細胞の抑制能を増強することが示唆された。現在、Helioshigh Treg細胞あるいはHelioslow Treg細胞をCFSEラベルしたナイーブCD4T細胞と共培養し、Helioshigh Treg細胞の抑制能を確認中である。
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