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2011 年度 実績報告書

アトピー性皮膚炎における増悪化ループに関する解析

研究課題

研究課題/領域番号 22790934
研究機関佐賀大学

研究代表者

白石 裕士  佐賀大学, 医学部, 助教 (80452837)

キーワードアレルギー / アトピー性皮膚炎 / Periostin / 細胞外マトリックス
研究概要

アトピー性皮膚炎は、Th2型の免疫反応と皮膚のバリア機能の異常が複雑に絡み合った慢性炎症性皮膚疾患である。細胞外マトリックスタンパク質の発現誘導や関与が示唆されているが、病態形成の寄与など詳しいメカニズムは明らかになっていない。本研究では、IL-4/IL-13によって誘導される細胞外マトリックスタンパク質であるperiostinのアトピー性皮膚炎における役割について解析を行った。これまでの研究で、IL-4/IL-13によって誘導されたperiostinが、ケラチノサイトに直接作用して増殖や分化を促進するとともに、TSLPなどの炎症性サイトカインの発現誘導を介して、更なるTh2型免疫反応を惹起していることが明らかとなった。の以上より、periostinがアトピー性皮膚炎の病態形成に寄与している機構の一つとして、ケラチノサイトからのTSLPを始めとするサイトカインの産生を誘導することにより、Th2免疫反応を増幅し、炎症の慢性化に関与していることが明らかとなった。さらに、periostinのkeratinocyteに対する作用にはintegrinが関与していることを明らかにし、アトピー性皮膚炎モデルマウスに抗integrin抗体を投与することによって予防的および治療的に皮膚炎を改善させることに成功した。この結果は、periostinを介した増悪化ループが慢性炎症の持続に関与している仮説を裏付けるとともに、periostin-integrin経路を標的とした創薬の有効性を示している。また、periostinのような細胞外マトリックスタンパク質が組織の構造維持だけでなく、積極的に細胞に作用して炎症などの生物学的プロセスを制御しうるという重要な知見を提供できた。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (2件) 備考 (1件) 産業財産権 (3件)

  • [雑誌論文] Periostin, a matrix protein, is a novel biomarker for idiopathic interstitial pneumonias2011

    • 著者名/発表者名
      Okamoto M
    • 雑誌名

      Eur Respir J

      巻: 37 ページ: 1119-1127

    • DOI

      10.1183/09031936.00059810

    • 査読あり
  • [学会発表] ペリオスチンはインターロイキン6産生を介して表皮角化細胞の増殖・分化に関与する2011

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi K, Arima K, Masuoka M, Shiraishi H, Ohta S, Ontsuka K, Suzuki S, Conway SJ, Izuhara K.
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      20111127-29
  • [学会発表] Development of combined measurement of squamous cell carcinoma antigens 1 and 2 as a potential companion diagnostic for anti-IL-4/IL-13 therapies in allergic diseases2011

    • 著者名/発表者名
      Ohta S
    • 学会等名
      21st International Congress of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine
    • 発表場所
      Berlin
    • 年月日
      20110515-20110519
  • [学会発表] Periostin is a critical mediator for acute lung injury induced by chemotherapeutic agents2011

    • 著者名/発表者名
      Uchida M
    • 学会等名
      2011 American Thoracic Society International Conference
    • 発表場所
      Denver
    • 年月日
      20110513-20110518
  • [学会発表] 細胞外マトリクスタンパク質「ペリオスチン」は、皮膚線維芽細胞の活性化を介して創傷治癒を促進する2011

    • 著者名/発表者名
      御塚加奈子
    • 学会等名
      第15回九州基礎皮膚科研究会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2011-12-03
  • [図書] Inflammation and Allergy Drug Design2011

    • 著者名/発表者名
      Izuhara K
    • 総ページ数
      175-185
    • 出版者
      Wiley-blackwell. London
  • [図書] 疾患モデルの作製と利用-免疫疾患2011

    • 著者名/発表者名
      出原賢治
    • 総ページ数
      231-239,276-283
    • 出版者
      株式会社エル・アイ・シー.東京
  • [備考]

    • URL

      http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/medbiochem/index.php

  • [産業財産権] 気管支喘息の予防又は治療薬及びそのスクリーニング方法2012

    • 発明者名
      出原賢治、白石裕士, 他
    • 権利者名
      出原賢治、白石裕士, 他
    • 産業財産権番号
      2012-11838
    • 出願年月日
      2012-01-24
  • [産業財産権] ペリオスチンの特定領域に結合する抗体、ならびにこの抗体を用いるペリオスチンの測定方法、測定試薬及び正確性の改善方法、並びに疾患の検査方法2012

    • 発明者名
      出原賢治、白石裕士, 他
    • 権利者名
      出原賢治、白石裕士, 他
    • 産業財産権番号
      2012-077774
    • 出願年月日
      2012-03-29
  • [産業財産権] 慢性副鼻腔炎の検出方法2011

    • 発明者名
      出原賢治、白石裕士, 他
    • 権利者名
      出原賢治、白石裕士, 他
    • 産業財産権番号
      2011-238913
    • 出願年月日
      2011-10-31

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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