研究課題
目的:Mucosal-Associated Invariant T(MAIT)細胞はMHC class Ib分子に属するMRI分子に拘束され、T細胞受容体にインバリアントなVα鎖(マウスVα19、ヒトVα7.2)を発現する自然リンパ球である。これまで自然リンパ球に属するiNKT細胞が関節炎モデルの病態悪化に関与することを明らかにしてきた。関節炎におけるMAIT細胞の役割を解明することを目的とした。結果・考察:MAIT細胞を欠損するMR1^<-/->C57BL/6マウスとDBM/1Jマウスを10代交配して得られたMRr/-DBMJマウスにタイプIIコラーゲン(CII)を免疫しコラーゲン誘導関節炎(CIA)を誘導した。MR1^<-/->DBA/1Jマウスは野生型マウスに比較してCIAの臨床および病理所見が軽症化した。リンパ節細胞のCIIに対する反応や血清CII抗体価にはグループ間で差が見られなかったことから、MMT細胞は関節炎の炎症増幅に作用する可能性が示唆された。そこでMR1^<-/->C57BL/6マウスと野生型C57BL/6マウスにおけるCII抗体誘導関節炎を比較すると、MR1^<-/->C57BL/6マウスにおいて関節炎は抑制された。vα19iT細胞受容体トランスジェニックマウスのmlT細胞を養子移入することによりMR1^<-/->C57BL/6マウスのCII抗体誘導関節炎が増悪したことから、MAIT細胞は関節炎増悪に働くことが示された。in vitroにおいて、MAIT細胞はIL-1β刺激により増殖しIL-23刺激でIL-17を産生したことから、関節炎など炎症性サイトカインが大量に産生される状況下でMAIT細胞は炎症増幅に作用すると考えられた。ヒトMAIT細胞はiNKT細胞より遥かに高い頻度で存在することが知られおり自己免疫疾患におけるMAIT細胞の役割を解明することは重要な課題である。
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