研究課題
喘息の主要なアレルゲンは、ダニ由来のDer p l/Der f lであることがよく知られている。これらはプロテアーゼ活性を有している。獲得免疫能を欠くRag-2遺伝子欠損マウスにプロテアーゼアレルゲンの一つであるpapainの短期間吸入を行うと、好酸球優位の気道炎症を呈することを見出しており、アレルゲンが非獲得免疫性にアレルギー炎症を引き起こすメカニズムを明らかにすることで、新しいアレルギー病態形成機序の一端を示すことができると考える。本年度は、プロテアーゼアレルゲンによる非獲得免疫性気道炎症誘導メカニズムの解明のため、(1)papain吸入後の気道炎症評価を各種の遺伝子欠損マウスを使用し、複数の遺伝子が気道炎症細胞の増加に関与していることを見出した。(2)papain吸入の影響の理解を深めるために肺胞洗浄液中の気道炎症細胞数の経時変化を検討したところ、特徴的な変動が認められた。(3)papainを15分間熱処理することで熱変性したプロテアーゼ活性を失ったpapain吸入を行うと、気道炎症の誘導は起きないことから、papainのプロテアーゼ活性が一義的に重要である事が判明した。すでに、ヒトにおいて、独立した2つの大規模なゲノム関連解析から、IL-33とIL-33受容体が喘息関連遺伝子であることが報告されていることから、本研究成果により喘息におけるIL-33の役割についての理解を進めることが出来たと考える。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件)
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