研究概要 |
平成22年度は、1)HBV-Tgマウスにおける加齢による免疫状態の変化を解析、および、2)HBV-RVVの作製をおこなった。 1)HBV-Tgマウスにおける加齢による免疫状態の変化を解析 免疫機構は加齢とともに変化することが知られている。実際の慢性HBV感染症患者においても、HBVに対する免疫機構が活発で治療に反応しやすい時期があることが知られている。そのため、免疫賦活化を行う時期により、その効果が異なることが予測されたため、HBV-Tgマウスにおける免疫機構の変化を解析した。HBV-Tgマウスにおいても、TNF-α,IFN-γなどのサイトカイン分泌が老齢マウスと比較し若齢マウスにおいて活発であることが見出された。今後は、これらサイトカイン分泌が活発になっているpopulationを同定し、これらの加齢に伴う変化を解析することで、免疫寛容成立の過程を解析する。さらに、HBVに対する免疫機構が活発な時期ならびに活発でない時期に免疫賦活化をすることで、HBVに対してどのような影響を与えるかを比較検討する。 2)HBV-rVVの作製 細胞性免疫・液性免疫を強力に誘導させるためHBV蛋白質組み換えワクチニアウイルス(HBV-RVV)に着目した。申請者らが用いている組換えワクチニアウイルスは早期及び後期プロモーターを組み合わせた強力なもので、高効率な蛋白発現ができ、細胞性免疫・液性免疫の誘導が非常に効果的にできる。本年度は、surface, core蛋白質に対する組み換えワクチニアウイルスの作製を行った。次年度ではこれらを用いて、マウスに対する免疫賦活化の効果を検討していく予定である
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