研究概要 |
平成22, 23年度の解析で、肺胞を構成するII型肺胞上皮細胞由来のA549ではTIM-1の発現を認めアポトーシスの処理に関与する可能性が示唆されたが、気管扁平上皮由来のBEAS-2BではTIM-1の発現をほとんど認めず、気管におけるTIM-1の役割について検討できなかった。本年は、主に、A549細胞を抗TIM-1抗体で刺激することにより、肺胞上皮細胞に発現するTim-1とアレルギー反応を誘導する分子の関係について検討したが関与を証明できなかった。 1) 気道感染症患者の痰よりRT-PCRでmRNAを抽出し、サーファクタントプロテインC(SPC)とTIm-1のmRNAの発現を検討した。検討した8例のすべてでSPC mRNAの発現が認められ肺胞上皮細胞が存在することを確認したが、Tim-1 mRNAの発現は認めなかった。 2) 抗Tim-1抗体(MAB1750, AF1750)でA549を刺激し、TSLP、IL-33、TLR4, TLR5, CARD12, CARD15, NOD2のmRNAの発現をrealtime-PCRにより解析したが、いずれの分子もmRNA発現の増強は認められなかった。 3) A549細胞よりTim-1 mRNAの全配列を増幅したが、クローンによって異なる多数の変異が認められたため、ヒト末梢血よりTim-1 mRNAを増幅した。Tim-1mRNAをベクターに挿入し3T3細胞に遺伝子導入した。
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