研究課題
ダウン症関連急性巨核芽球性白血病(DS-AMKL)を発症した患児はしばしば一過性異常骨髄増殖症 (TAM) の既往を有しており、DS-AMKLとTAMの芽球は形態学および表面マーカーによる区別が困難である。TAMとDS-AMKLの両者においてGATA1遺伝子変異が確認されていることから、TAMからDS-AMKLに進展するためにはさらなる遺伝子異常が加わることが必要と考えられる。それらを明らかにするために、我々は、DS-AMKL 11例、non-DS-AMKL 12例についてSNPアレイおよび遺伝子解析を行った。トリソミー21以外のsomatic gainはDS-AMKLで7例(1q gainが4例、7q gainが2例)みられた。DeletionはDS-AMKLで8例(5p deletionが2例、7p deletion が2例)みられた。Uniparental disomy (UPD)はDS-AMKLの1例で3qと7pの2箇所にみられた。Non-DS-AMKLにおいては、somatic gainが7例(trisomy 8が2例、trisomy21が2例)、deletionは5例(7q deletionが3例、13q deletion が2例)みられた。遺伝子解析ではGATA1変異がDS-AMKL12例中11例、non-DS-AMKL12例中1例で確認された。JAK3 、JAK2 、TP53変異が DS-AMKLの同一症例でみられた。Flt3、KIT、MPL、ASXL1、IDH1/2、DNMT3A、RUNX1 およびCBL変異はいずれのグループにおいてもみられなかった。一方で、NRAS変異がnon-DS-AMKLの2例でみられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Br J Haematol
巻: 156 ページ: 316-325