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2010 年度 実績報告書

XLA患者骨髄造血幹細胞移植humanizedマウスにおけるヒトB細胞の分化

研究課題

研究課題/領域番号 22790986
研究機関九州大学

研究代表者

土居 岳彦  九州大学, 大学病院, 特任助教 (20572100)

キーワードヒト化マウス / B細胞 / 原発性免不全症候群
研究概要

まず臍帯血からLinage^-CD34^+造血幹細胞を磁気ビーズ法およびセルソーターで分離を行った。新生仔NOD/SCID/IL2rγKOマウスに放射線照射を行った後、分離した造血幹細胞を静注し移植した。移植から20~25週後に各臓器におけるB細胞の分化状態について解析を行った。臍帯血由来正常造血幹細胞を移植したヒト化マウスと比較してXLA患者由来造血幹細胞を移植したマウス(XLAマウス)では脾臓および末梢血で有意にB細胞の割合が減少していた。
次にB細胞の分化状態を調べるために、正常造血幹細胞を移植したヒト化マウス末梢血、ヒト臍帯血およびヒト成人末梢血で評価を行った。ヒト臍帯血では、大部分がIgM^+IgD^+B細胞であった。ヒト成人末梢血では多くがIgM^<low~+>IgD^+B細胞であったが、CD27^+IgM^-IgD^- メモリーB細胞も多く見られた。正常臍帯血を移植したヒト化マウスの末梢血では、大部分がIgM^<low~+>IgD^+B細胞であった。CD27^+メモリーB細胞の頻度は臍帯血と同じ程度であり、ヒト成人末梢血と比べて低かった。ヒト化マウスのB細胞は、ヒト臍帯血や成人末梢血と完全に類似しているわけではないが、成熟B細胞が末梢血中に循環していたことが分かった。
さらにヒト正常造血幹細胞を移植したヒト化マウスの各臓器において正常なB細胞の分化が行われているかどうか調べた。骨髄ではB細胞の大部分がpre-B細胞であった。脾臓ではIgM^+IgD^+B細胞が大部分であった。ヒト化マウスによってそれぞれのB細胞サブセットの頻度に不均一性が見られるが、ヒトB細胞の成熟が見られていた。一方で、XLAマウスの骨髄ではpro-B細胞とpre-B細胞が大部分を占めていた。脾臓ではB細胞の分化が停止しており、正常マウスと比較してpro-B細胞とpre-B細胞の有意な集積が見られていた。フローサイトメトリーの結果を支持するように、免疫染色においてXLAマウスではIgD^+CDI9^+B細胞が欠如していた。以上より、我々の移植モデルでは、表面マーカ上、ヒトB細胞が成熟できることを示していた。

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公開日: 2012-07-19  

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