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2010 年度 実績報告書

神経細胞特異的なロコモーション移動の経時的な形態変化と神経極性獲得の機構

研究課題

研究課題/領域番号 22790998
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

西村 嘉晃  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 神経制御学部, 研究員 (50508603)

キーワード大脳皮質形成 / 神経細胞移動 / ロコモーション移動 / スライス培養
研究概要

脳形成過程において脳室周辺で誕生した未成熟神経細胞は脳表層側へ向かって移動し、特定の層や神経核へと配置される。この移動の過程に異常が生じるとてんかんや精神遅滞を伴う滑脳症などの脳奇形が惹起されることから、神経細胞移動は脳が正しく機能するために必須な発生段階であると考えられるが、その分子機構については未解明な点が多い。特に「ロコモーション移動」は、移動の最も長い距離を占めている重要な過程であるにも関わらず、多極性など複数の過程を経た後に行われるため、従来の実験手法では移動のより早い段階の二次的な影響を排して直接特定の分子の機能を抑制する実験が困難であった。本研究ではロコモーション移動の制御機構を分子レベルで理解することを目指し、簡便に個体への遺伝子導入を行える「子宮内エレクトロポレーション法」と大脳皮質のスライス培養法を組み合わせることにより、ロコモーション細胞で特定の分子の機能を抑制する実験を行った。初年度の今年は、機能阻害剤を用いてロコモーション移動に関わる分子のスクリーニングを行った。その結果、Ro31-8220、Go6976、Rottlerinなどの機能阻害剤の添加によりロコモーション移動に異常が生じることが確認された。また細胞骨格系への影響を調べるために大脳皮質の初代培養細胞にこれらの機能阻害剤を添加すると、Rottlerinなどの添加により微小管の配向に影響を与えることが観察された。ロコモーション細胞の移動は、先導突起の伸長、核の移動、後方突起の退縮など様々な段階からなるため、今後は機能阻害剤の標的分子がロコモーション移動のどの段階の制御に関与しているかを解析していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Analyzing the mechanisms of the morphological changes of locomoting neurons in the developing cerebral cortex2010

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Yoshiaki
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会(BMB2010)
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] Dissecting the factors involved in the morphological changes of locomoting neurons in the developing cerebral cortex2010

    • 著者名/発表者名
      Nishimura Yoshiaki
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会(Neuro2010)
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県)
    • 年月日
      2010-09-02
  • [学会発表] 大脳皮質形成過程におけるロコモーション移動を制御する分子機構の解析2010

    • 著者名/発表者名
      西村嘉晃
    • 学会等名
      第74回日本生化学会中部支部例会
    • 発表場所
      名古屋大学医学部(愛知県)
    • 年月日
      2010-05-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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