小児炎症性腸疾患(IBD)腸管粘膜におけるGalectin(Gal)-1、-3、-9の発現について検討した。対象は初発IBD患児22例(Crohn病: CD10例、潰瘍性大腸炎: UC12例)と正常対照延べ24例。内視鏡検査にCDでは回腸末端、UCではS状結腸、正常対照では両部位の粘膜生検を採取、real time-PCRにてGal-1、-3、-9の発現を比較検討した。炎症粘膜におけるGal-1、-3の発現は有意差を認めなかった。Gal-9の発現は、CDにおいて有意に高かった(p=0.009)が、UCでは有意差はなかった。Gal-9は、Tim3を介して炎症抑制に関わる蛋白である。Gal-9はCrohn病の病態に関与し、炎症粘膜において炎症の波及を抑制している可能性が示唆された。
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