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2010 年度 実績報告書

胆汁酸代謝異常症の遺伝子診断と内科的治療法の確立?肝移植回避を目指して?

研究課題

研究課題/領域番号 22791008
研究機関久留米大学

研究代表者

水落 建輝  久留米大学, 医学部, 助教 (20368921)

キーワード遺伝学 / 酵素 / 内科 / 移植・再生医療
研究概要

先天性胆汁酸代謝異常症(IEBAM)は、乳児期に胆汁うっ滞をきたし、無治療であれは肝硬変へ移行し死亡する予後不良な疾患であり、早期診断と治療が重要である。我々は、ガスクロマトグラフィー質量分析法による尿中胆汁酸分析とダイレクトシークエンス法による遺伝子解析を用いてIEBAMの診断を行っている。
今年度、新たに2例のIEBAMを遺伝子診断した。1例は、5β-reductase欠損症の女児で、診断後すぐに経口ケノデオキシコール酸療法を開始し、現在1歳で良好な経過を得ている。早期発見・治療により肝移植を回避できた。もう1例は、oxysterol 7α欠損症の女児で、肝移植後に診断がついた。本疾患は現在までのところ、肝移植以外に治療法はないといわれている。世界で2例の報告しかなく、今回が3例目である。本症例は、現在2歳で良好な経過をたどっている。世界で初めての移植救命例であるため、病態解明のためにも遺伝子診断とその後の経過観察が重要である。
IEBAMは早期診断し、経口ケノデオキシコール酸療法を開始すればそのほとんどが内科的治療可能な疾患である。非常に稀な疾患であり、確定診断には胆汁酸分析と遺伝子解析が必要なため、本疾患を小児科医に知ってもらう必要がある。特徴的な所見としては、乳児期に胆汁うっ滞を認めるにもかかわらず、血清γ-GTP及び総胆汁酸値が正常な点である。以上のことを、小児科及び小児肝臓病関連の学会や研究会で発表し、本疾患の理解の普及に努めた。また、本研究により診断がついたIEBAM症例の論文を日本語及び英語にて報告し、病態や治療法の解明を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular Genetic and Bile Acid Profiles in Two Japanese Patients With 3β -Hydroxy-Δ^5-C_27-Steroid Dehydrogenase/Isomerase Deficiency.2010

    • 著者名/発表者名
      Mizuochi Tatsuki
    • 雑誌名

      Pediatric Research

      巻: 68巻 ページ: 258-263

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 胆汁酸代謝異常症-診断へのアプローチと1次胆汁酸療法-2010

    • 著者名/発表者名
      水落建輝
    • 雑誌名

      小児科臨床

      巻: 63巻 ページ: 2081-2087

    • 査読あり
  • [学会発表] 新生児肝炎の鑑別疾患としての胆汁酸代謝異常症-本邦における診断法の確立-2010

    • 著者名/発表者名
      水落建輝
    • 学会等名
      第113回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      岩手
    • 年月日
      20100423-20100425

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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