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2012 年度 実績報告書

ヒト遺伝子導入マウスiPS細胞由来の樹状細胞を用いた慢性肉芽腫症の病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791021
研究機関独立行政法人国立成育医療研究センター

研究代表者

河合 利尚  独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 室長 (20328305)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード慢性肉芽腫症 / 免疫不全 / 活性酸素 / サイトカイン
研究概要

慢性肉芽腫症(CGD)における過剰炎症反応の機序を明らかにするため、CGDの変異型CYBB遺伝子が炎症機序に与える影響について検討した。同一のiPS細胞へ異なる変異型CYBB遺伝子を導入し機能解析を行うことで、CYBB遺伝子以外の遺伝的素因を除外できる。そこで、倫理面を重視しCGDモデルマウス由来iPS細胞へヒトCYBB遺伝子を導入した。しかし、分化誘導された造血幹細胞は正常CYBB遺伝子由来gp91phox蛋白や活性酸素産生を認めなかった。これによりCGD患者由来iPS細胞を用いた研究の必要性が明らかとなった。そこで、患者iPS細胞を用いた研究を想定し準備を開始した。今後、CYBB遺伝子を全欠損したCGD患者から樹立したiPS細胞を用いて、変異型CYBB遺伝子の機能解析を行う予定である。しかし、これまでの研究から、iPS細胞研究では分化した細胞が生体内の細胞機能を再現する点が重要になる。そこで、CGD患者末梢血の細胞機能を解析し、患者iPS細胞研究の疾患再現モデルとなる免疫学的な特徴を明らかとした。
CGDでは末梢血CD27+CD19+メモリーB細胞の著明な低下が認められたが、クラススイッチの障害はみられなかった。B細胞ではわずかにgp91phoxが発現するが、その役割についてiPS細胞を用いた検討が有用と思われる。また、単球ではNFκBやNLRP3インフラマソームを介したシグナル伝達経路に活性酸素が関与するためCGDでは炎症性サイトカイン産生能が亢進すると考えられた。CGDにおける肉芽腫形成や炎症の機序について、単球など免疫担当細胞の機能異常とともに、樹状細胞においても活性酸素がシグナル伝達分子として作用する可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 食細胞の数、機能の異常症~慢性肉芽腫症と食細胞機能異常症~2013

    • 著者名/発表者名
      河合利尚
    • 雑誌名

      小児科診療

      巻: 76 ページ: 431-437

  • [雑誌論文] Thalidomide Attenuates Excessive Inflammation without Interrupting Lipopolysaccharide-driven Inflammatory Cytokine Production in Chronic Granulomatous Disease2013

    • 著者名/発表者名
      Toshinao Kawai
    • 雑誌名

      Clinical Immunology

      巻: 147 ページ: 122-128

    • DOI

      10.1016/j.clim.2013.03.004.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A case of macrophage activation syndrome developing in a patient with chronic granulomatous disease-associated colitis2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuko Akagi
    • 雑誌名

      Journal of Pediatric Hematology/Oncology

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 慢性肉芽腫症と他の食細胞機能異常症2012

    • 著者名/発表者名
      河合利尚
    • 雑誌名

      小児内科

      巻: 44 ページ: 242-243

  • [学会発表] Foxp3-Retrovirus Transduction to CD4+ T Cells Induce Regulatory Potential with Decreased Secretion of Interferon-gamma2012

    • 著者名/発表者名
      Toshinao Kawai
    • 学会等名
      American Society of Gene &Cell Therapy
    • 発表場所
      Philadelphia, PA, USA
    • 年月日
      20120516-20120519
  • [学会発表] 慢性肉芽腫症の肉芽腫性疾患に対するサリドマイド治療2012

    • 著者名/発表者名
      河合利尚
    • 学会等名
      第44回小児感染症学会
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2012-11-24
  • [学会発表] 慢性肉芽腫症腸炎に対するサリドマイド治療の効果と安全性2012

    • 著者名/発表者名
      河合利尚
    • 学会等名
      第115回小児科学会学術集会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2012-04-20
  • [図書] 小児科診断治療指針(分担 慢性肉芽腫症)2012

    • 著者名/発表者名
      河合利尚
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      中山書店

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公開日: 2014-07-24  

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