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2011 年度 実績報告書

HGFがヒト髄膜細胞のMMP-9発現に及ぼす影響~出血後水頭症の治療開発に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 22791024
研究機関旭川医科大学

研究代表者

岡本 年男  旭川医科大学, 医学部, 助教 (20431405)

キーワードHepatocyte growth factor / Matrix metalloproteinase-9 / 出血後水頭症 / ヒト髄膜細胞
研究概要

本研究の目的は、早産児の出血後水頭症の分子病態を解明し、新たな治療法を開発することである。具体的に本研究で明らかにしようとしていることは、ヒト髄膜細胞(HMC)を用いてHepatocyte growth factor(HGF)刺激によりMatrix metalloproteinase(MMP)-9産生が誘導されるかどうかを検討すること、HGFがMMP-9産生を誘導するのであれば、HGF刺激の細胞内シグナル伝達経路を特定することの2点である。我々は、前年度までにヒト髄膜細胞がHGFの特異的レセプターであるc-Metを発現していることをRT-PCR法にて証明している。
今年度我々は、HMCを様々な濃度(0-100ng/m1)のhuman recombinant HGFで刺激し、RT-PCRによりMMP-9 mRNA発現量の変化を調べたところ、濃度依存性にMMP-9発現量が増加することが判明した。同様の実験を3度行ったところ、同じ結果が得られ、その増加量は統計学的に有意なものであった。次に我々は、HGFの代表的な細胞内シグナル伝達経路であるERK,PI3Kそれぞれの特異的インヒビターで前処置したHMCと、前処置を行っていないHMCそれぞれをhuman recombinant HGF100ng/mlで刺激し、MMP-9 mRNA発現量の変化の有無をRT-PCRにて検討した。その結果、インヒビターの存在下ではHGFの作用によるMMP-9の発現量増加が抑制されることが判明した。これも同様の実験を3度行い、同じ結果が得られることを確認した。従って、HGF刺激によってヒト髄膜細胞のMMP-9産生は増加し、その細胞内シグナル伝達にはERKとPI3Kの経路が関与している可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト髄膜細胞において、HGF刺激がMMP-9産生を促進することをRT-PCRにて証明した。また、HGFのシグナル伝達経路についてもインヒビターを用いた実験により、MEKおよびPI3Kが関与している可能性を証明した。概ね研究計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後も計画通りに研究を進める。

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公開日: 2013-06-26  

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