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2011 年度 実績報告書

ヒツジ胎仔を用いた胎生期脳白質損傷のMRI画像解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791025
研究機関東北大学

研究代表者

秋山 志津子  東北大学, 病院, 助手 (80466549)

キーワード胎児 / 脳白質損傷 / 脳室周囲白質軟化 / MRI / 診断基準
研究概要

平成23年度はヒツジ胎仔を用いた慢性実験系を作成し(妊娠102日),子宮内炎症下(妊娠107日)で急性脱血を負荷する(妊娠108日)ことによって脳白質損傷を誘導した後,脳MRI撮影を実施する(妊娠112日)実験を計画した.
その結果,6例中3例に脳白質損傷を誘導することができ(嚢胞性脳室周囲白質軟化 1例,巣状壊死 1例,皮質下多発小出血壊死 1例),6例すべてで出生1時間以内に脳MRIを撮影することができた.
免疫組織染色によってびまん性脳白質損傷の有無を確認し,これに巣状脳白質損傷も加えた「脳白質損傷マッピング」の作成は平成24年度の検体も合わせて一括して行う予定である.
脳MRI画像では皮質,白質,基底核,脳室の構造を明瞭に区別できたが,白質内の髄鞘化の程度については未だ言及できるレベルではなかった.この妊娠日齢では脳自体が3.0×4.0×2.0cm大と小さいため1.0teslaの磁場では解像度が足りない可能性があり,髄鞘化を検討するためには電子顕微鏡撮影による観察も必要かも知れない.したがって,将来的にはヒツジ胎仔の妊娠100-135日における髄鞘化の発達段階に合わせた髄鞘化の解析も必要になるだろう.巣状脳白質損傷に関しては,T1強調で低密度,T2強調で高密度の比較的明瞭な異常信号が観察されたが,びまん性脳白質損傷については未だ言及できるレベルではない.
実験はほぼ計画通りに進んでいるが,MRIの解像度を補える条件設定の工夫と電子顕微鏡撮影による観察が今後の課題として浮かび上がった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

MRI撮影は順調に進んでいるが,1.0teslaの磁場では小さなヒツジ胎仔脳に対する解像度が良いとは言えないため,びまん性脳白質損傷による微妙な変化を反映できていない可能性がある.現在,この問題を克服するために撮影条件の工夫を試行錯誤している.

今後の研究の推進方策

実験は申請書の内容どおり実施する.ただし,組織病理解析には免疫組織染色だけではなく電子顕微鏡撮影も追加し,半卵円中心と脳梁膨大部の軸索について髄鞘化密度ならびに髄鞘の巻数も解析に加える予定である.これによって髄鞘化を反映するMRI信号との相関も解析できるからである.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 胎児・新生児期における生物時計と光環境の重要性2011

    • 著者名/発表者名
      渡邊真平, 秋山志津子, 太田英伸
    • 雑誌名

      睡眠医療

      巻: 5 ページ: 51-58

    • DOI

      ISSN:1882-2096

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 胎児期に心房粗動と診断され早期娩出した低出生体重児の一例2011

    • 著者名/発表者名
      新田恩, 松田直, 井上若葉, 荒井那津子, 渡辺真平, 秋山志津子, 北西龍太, 渡辺達也, 田澤星一, 柿崎秀平
    • 雑誌名

      周産期医学

      巻: 41 ページ: 1222-1225

    • DOI

      ISSN:0386-9881

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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