• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ヒツジ胎仔を用いた人工胎盤に応用できる膜型肺回路の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22791026
研究機関東北大学

研究代表者

渡邊 真平  東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70509413)

キーワード人工胎盤 / 人工羊水 / 人工子宮 / 胎児循環 / 膜型人工肺 / 動脈管 / マイクロスフェア法
研究概要

心ポンプのみで駆動させて回路内を陽圧に保つ人工胎盤(臍帯動脈からの脱血回路+膜型肺+臍帯静脈への供血回路)の有用性と安全性についてヒツジ胎仔を用いて検討した.
実験は東北大学動物実験委員会の承認(2011医動-55)のもと平成24年1~3月に実施した.妊娠115~120日(満期147日)に帝王切開で胎仔を娩出させ,臍帯動静脈に血管カヌラを挿入し,並列回路の膜型肺(東京電機大より提供)に接続した.リポPGEを持続点滴して動脈管血流は胎児循環と同じ右左短絡を維持させた.回路内は予めヘパリン加母獣血で充填し,活性化凝固時間に基づいて回路内凝血を予防し,血流量は電磁血流計で測定した.手術後,胎仔ならびに人工胎盤は恒温漕(39℃の生理的食塩水)に浮遊させた。Colored-microspher法を用いて各臓器の血流量を出生前後に測定して比較した.
人工胎盤を装着できた3例ではいずれも胎児循環を保ちながら33-48時間生存させることができた.回路血流量は約100-150ml/min/kgの間で変動し,血中乳酸値も20-40mg/dlと比較的安定した循環状態が得られた.出生前日,出生後6時間,出生後12時間の臓器血流量を比較すると,血管収縮薬と血管拡張薬のいずれの投与下でも各臓器血流量は出生前に比較して増加傾向が認められた.
並列回路の人工胎盤でヒツジ胎仔を33-48時間,安定した循環動態で生存させることができた.脳,心,副腎のみならず全身臓器の血流量に明らかな減少が認められなかったことから,並列回路の人工胎盤を用いて早産児を安全に循環管理できる可能性が示された.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 臍帯炎.胎児死亡と胎盤病理2011

    • 著者名/発表者名
      加賀麻衣子, 松田直, 渡辺達也, 小野寺幸子, 渡邊真平, 臼田治夫, 八重樫伸生
    • 雑誌名

      産科と婦人科

      巻: 78 ページ: 720-726

  • [雑誌論文] 胎児・新生児期における生物時計と光環境の重要性2011

    • 著者名/発表者名
      渡邊真平, 秋山志津子, 太田英伸
    • 雑誌名

      睡眠医療

      巻: 5 ページ: 51-58

  • [雑誌論文] 胎児期に心房粗動と診断され早期娩出した低出生体重児の一例2011

    • 著者名/発表者名
      新田恩, 松田直, 井上若葉, 荒井那津子, 渡辺真平, 秋山志津子, 北西龍太, 渡辺達也, 田澤星一, 柿崎秀平
    • 雑誌名

      周産期医学

      巻: 41 ページ: 1222-1225

    • 査読あり
  • [学会発表] Development of an artificial placenta : Pumplessarteriovenous extracorporeal life support in a premature lamb model2011

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Miura, Tadashi Matsuda, Masatoshi Saito, Shinpei Watanabe, Ryuta Kitanishi, Takushi Hanita, Tatsuya Watanabe, Nobuo Yaegashi
    • 学会等名
      39th Annual Meeting of the Fetal and Neonatal Physiological Society 2011
    • 発表場所
      Palm Cove, Cairns, AU
    • 年月日
      2011-07-11
  • [図書] 早産児・新生児の体内時計と新生児室における光環境の設計.「体内時計の科学と産業応用」2011

    • 著者名/発表者名
      渡邊真平, 太田英伸
    • 総ページ数
      38-47
    • 出版者
      シーエムシー出版

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi