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2010 年度 実績報告書

先天性サイトメガロウイルス感染が顕性感染へと至るリスク判定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22791034
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

生田 和史  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60512184)

キーワード先天性感染 / サイトメガロウイルス / 血清疫学 / ELISA法 / リアルタイムPCR法
研究概要

先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染の要因は妊婦におけるCMV初感染と考えられてきた。しかし実際には既感染の妊婦でも起こり、妊娠中に中和できないタイプのCMVに重感染することが原因である。既に我々の研究室では血清抗体価から感染しているCMV型を判別できるELISA法を開発していた。このELISA法によりCMV gBのAD2領域に対する抗体の有無が、腎移植後のCMV関連疾患発生に関わることが明らかとなり(Transplant Infectious Disease, 2010)、先天性CMV感染症においても検討予定である。ELISA法では先天性CMV感染におけるCMV型別の感染経歴をみることが出来た(第25回ヘルペスウイルス研究会)。
血清学のみでは現在感染しているウイルスを解析するに不十分である。CMV型を判別できるリアルタイムPCR法を開発した(第58回日本ウイルス学会)。感染した新生児が実際に尿中に排泄しているCMVのDNA量を型別に検出・定量を行った。ELISA法による血清学の結果より、先天性CMV感染児16例中2例(12.5%)が重感染によるものと分かった。樹立したCMV型別リアルタイムPCR法により、重感染2例において、尿中に排泄されるCMV型は1種類であると分かった。以上により、血清学的には重感染であるが、実際に先天性CMV感染を引き起こしているCMVは片型であり、これが妊娠中に重感染した型であると考えられた。
先天性CMV感染の80%は不顕性感染であるが、発症に至る感染と、不顕性に終わる感染とを見分ける危険因子は全く解っていない。本研究の継続により症例数の増加と症例ごとの経時的調査を加え、重感染例が顕性感染のリスクとなりうるのかを検討したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The lack of antibodies against the AD2 epitope of cytomegalovirus (CMV) glycoprotein B (gB) is associated with CMV disease after renal transplantation in recipients having gH serotypes same as their donors.2010

    • 著者名/発表者名
      Ishibashi K, Tokumoto T, Shirakawa H, Hashimoto K, Ikuta K, Kushida N, Yanagida T, Shishido K, Aikawa K, Toma H, Inoue N, Yamaguchi O, Tanabe K, Suzutani T.
    • 雑誌名

      Transplant Infectious Disease

      巻: Aug 30

    • 査読あり
  • [学会発表] リアルタイムPCR法を用いたサイトメガロウイルスの型別定量判定法2010

    • 著者名/発表者名
      生田和史、石岡賢、佐藤友香、金子久俊、古谷野伸、井上直樹、錫谷達夫
    • 学会等名
      第58回日本ウイルス学会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      20101107-09
  • [学会発表] 先天性サイトメガロウイルス感染児の母親のウイルス型別抗体検出法を用いた感染パターンの解析2010

    • 著者名/発表者名
      生田和史、今村孝、浅野仁覚、古谷野伸、藤原成悦、中井英剛、吉川哲史、森内浩幸、井上直樹、錫谷達夫
    • 学会等名
      第25回ヘルペスウイルス研究会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      20100527-29

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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