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2010 年度 実績報告書

G-CSFの幹細胞血液中動員作用による慢性肺疾患治療の為の基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 22791037
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

北東 功  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00296625)

キーワード再生医療 / 幹細胞 / 慢性肺疾患
研究概要

慢性肺疾患は確立された治療法が無く早産児の予後を左右する重要な疾患の一つである。造血幹細胞には血液細胞以外の細胞への分化能を有しており、様々な疾患の治療に役立つ可能性が考えられている。肺のII型上皮細胞に分化するという報告も認められる。G-CSFは骨髄中の造血幹細胞を血中に動員することが知られており、末梢血幹細胞採取で実際に使用されており、安全性が高い薬品である。本研究は、G-CSFを用いた骨髄幹細胞の血中への動員が、慢性肺疾患の病態である破壊された肺胞構造を修復することが出来るかどうかを検討するものである。
新生仔マウスに80%酸素投与を3週間行う。その後、体重1gあたりG-CSF5μgまたは生理食塩水の腹腔内投与を5日間行い、投与終了後3週間目にマウスから肺を摘出する。対照として酸素投与を行わない群を設定し、生後3週目かにG-CSF又は生理食塩水を腹腔内投与した。肺は4%パラホルムアルデヒドで固定し、パラフィン包埋。ヘマトキシリンエオジン染色、PCNA染色、マッソントリクローム染色、smooth muscle actin(SMA)染色を行った。
酸素投与群で肺に著明な気腫化が認められた。組織学的にはG-CSF投与群と生理食塩水投与群間で明らかな差は認められなかった。また、PCNA染色、SMA染色、マッソントリクローム染色でも特記するような変化は認められなかった。
今回の研究では期待された結果(気腫化肺の改善)は認められなかった。原因として、G-CSF投与量の不足、投与期間が短かった可能性が考えられた。また、末梢血中の幹細胞が、骨髄中に戻ってしまい、肺に残らない可能性も考えられた。今後、上記の可能性に基づき、G-CSFの投与量増量や、投与期間の延長、幹細胞のhomingを抑制する薬剤の併用、肺上皮細胞への分化を促進する薬剤との併用など、さらに研究を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 血清HGFは慢性肺疾患の重症度予測因子となり得うるか?2010

    • 著者名/発表者名
      北東功、三輪雅之、松崎陽平、有光威志、置塩英美、池田一成
    • 学会等名
      第55回日本未熟児新生児学会総会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-11-07

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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