研究概要 |
1) 妊娠WKYラットをterm (妊娠21日目)あるいはpreterm (妊娠19日目)に帝王切開をし、胎児を娩出した。第一呼吸の前にフェノバルビタール100mg/kgを腹腔投与し、動脈管を摘出した。出生後のラットについては、生後1日目と生後1週間後に動脈管を摘出した。動脈管の組織学的な評価は、胎児を急速全身凍結したあとに凍結ブロックを作成することにより標本を作製した。個体数を増やすことにより、標本作製の手技の安定を得ることができた。2) 血管内皮特異的PTENノックアウトマウスにおける動脈管の閉鎖過程を検討したかったため、血管内皮特異的PTENノックアウトマウスの増産をおこなった。数回の体外受精をおこなったが、なかなか十分な数の出産数を得ることができなかった。出生後の血管内皮特異的PTENノックアウトマウスの血圧は、野生型マウスと違いが見られなかった。3) ラット未熟児 (妊娠19日目)、満期 (21日目)、出生後 (22日目)から得られた遺伝子解析を引き続き行った。対象は、大動脈の遺伝子量の変化と比較した。4) 動脈管の器質的閉鎖におけるにおけるPI3-キナーゼ/Akt系を調べるために、蛍光染色を行った。動脈管の閉鎖過程において、PI3-キナーゼ/Akt系の抑制因子であるPTENの発現が、内皮細胞で劇的に増加することを見出した。しかし、p-PTENとpAktには明らかな変化は見られなかった。5) 内皮細胞におけるPTENの発現変化については、TissueQuest software (TissueGnostics, Vienna, Austria)を用いて定量解析を行った。
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