研究課題
若手研究(B)
劣性栄養障害型表皮水疱症(RDEB)は,表皮基底膜部に存在するVII型コラーゲン蛋白をコードする遺伝子の変異により発症するが有効な治療法はない。本研究は、ヒトVII型コラーゲン蛋白を母乳中に強制発現するマウスを用い、RDEBに対する治療効果を判定するものである。最初に母乳自体を表皮水疱症モデルであるVII型コラーゲン遺伝子ノックアウトマウスへ経口投与試みたが、口腔内の水疱形成のため困難であった。次に、母乳中からヒトVII型コラーゲン蛋白を精製し、マウス皮膚へ局所投与したところ免疫反応などの副作用が無いことを確認した。しかし、ヒトVII型コラーゲンタンパクの精製効率が悪かったため、実際に表皮水疱症モデルマウス生体での治療実験には至らなかった。今後、母乳中からのタンパク精製効率の改善が課題である。
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