皮膚炎症を制御する多彩な因子に関する研究

2011 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 22791072
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 福永 淳 神戸大学, 医学研究科, 助教 (10467649)
• キーワード: 皮膚炎症 / ランゲルハンス細 / 紫外線免疫 / 接触皮膚炎

研究概要

近年になり、311nmがピーク波長であるnarrow-band UVB(NB-UVB)療法がその簡便性もしくは有用性のために乾癬、アトピー性皮膚炎、尋常性白斑などの炎症性皮膚疾患治療に頻用されている。前年度に野生型マウスにおいてはNB-UVB照射によりCHS反応が抑制され、NB-UVB照射により表皮ランゲルハンス細胞が表皮内から容量、時間依存性に減少すること、NB-UVB誘導性免疫抑制に表皮ランゲルハンス細胞が必須であること、Langerin-DTRマウスを用いて確認した。その後本年度になり、NB-UVB照射後の免疫抑制にTregが関与するかを野生型マウスで調べたが、NB-UVB照射後でも所属リンパ節におけるTregの割合は変化しなかった。NB-UVB誘導性の免疫抑制にTregの関与が少ないことが示唆されたため、NB-UVB誘導性免疫抑制におけるNKT細胞の関与をNKT-KOマウスを用いて検討した。NKT-KOマウスにおいてはNB-UVB誘導性のCHS反応の抑制は認められなかった。つまりNB-UVB誘導性の免疫抑制では、TregではなくNKT細胞が免疫制御に必須の役割を果たしていることが示唆された。またヒトリコンビナントチオレドキシンの外用によりC57BL/6マウスにおいてクロトンオイル皮膚炎が抑制されることを確認した。また、感作相ではなく惹起相でヒトリコンビナントチオレドキシンの外用することでCHS反応を抑制することができることを証明した。

研究成果

• [雑誌論文] An unusual case of bathing suit ichthyosis with summer exacerbation (2012)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto M, Sakaguchi Y. Itoh M, Nakagawa N, Fukunaga A, Hitomi K, Yamanishi K
  • 雑誌名: Br J Dermatol 巻: 166 ページ: 672-674
  • DOI: 10.1111/j.1365-2133.2011.10594.x
  • 査読あり
• [雑誌論文] Rapid Desensitization with Autologous Sweat in Cholinergic Urticaria (2011)
  • 著者名/発表者名: Kozaru T, Fukunaga A, Tagchi K, Ogura K, Nagano T, Oka M, Horikawa T, Nishigori C
  • 雑誌名: Allergol Int 巻: 60 ページ: 277-281
  • 査読あり
• [雑誌論文] Limited influence of aspirin intake on mast cell activation in patients with food-dependent ecercise-induced anaphylaxis : comparison using skin prick and histamine release tests (2011)
  • 著者名/発表者名: Fukunaga A, Shimizu H, Tanaka M, Kikuzawa A, Tsujimoto M, Sekimukai A, Yamashita J, Horikawa T, Nishigori C
  • 雑誌名: Ada Derm Venereol 巻: (Epub ahead of print)
  • DOI: 201110.2340/00015555-1210
  • 査読あり
• [雑誌論文] Drug fever due to S-carboxymethyl-L-cysteine : The demonstrati on of a causative agent with patch tests (2011)
  • 著者名/発表者名: Hatakeyama M, Fukunaga A, Shimizu H, Oka M, Horikawa T, Nishigori C
  • 雑誌名: J Dermatol 巻: (Epub ahead of print)
  • DOI: 10.1111/j.1346-8138.2011.01325.x
  • 査読あり
• [雑誌論文] Successful treatment with adapalene of cetuximab-induced acneiform eruptions (2011)
  • 著者名/発表者名: Taguchi K, Fukunaga A, Okuno T, Nishigori C
  • 雑誌名: J Dermatol 巻: (Epub ahead of print)
  • DOI: 10.1111/j.1346-8138.2011.01424.x
  • 査読あり
• [雑誌論文] Desensitization therapy with autologous sweat in cholinergicurticaria (2011)
  • 著者名/発表者名: Fukunaga A
  • 雑誌名: J Enviromen Dermatol Cutan Allergol 巻: 5 ページ: 380-386
• [学会発表] アスピリンによる食物依存性運動誘発アナフィラキシー症状の誘発における肥満細胞の関与の検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 指宿千恵子、菊澤亜夕子、田中真実、清水秀樹、福永淳、錦織千佳子(以上神戸大学)、堀川達弥(西神戸医療センター)
  • 学会等名: 第61回日本アレルギー学会秋季学術大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-11-10
• [学会発表] 夏季に増悪するbathing suit ichthyosis (2011)
  • 著者名/発表者名: 山西清文、山本雅章、坂口祥子(以上兵庫医大)、福永淳
  • 学会等名: 第26回角化症研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-07-30
• [学会発表] 神戸大学皮膚科における日光蕁麻疹症例の臨床的検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 田島翔子、福永淳、錦織千佳子
  • 学会等名: 第33回日本光医学・光生物学会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2011-07-22
• [学会発表] ニューキノロン系抗生剤による即時型アレルギー2例の交差反応についての検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 神保晴紀、古松茜、福永淳、清水秀樹、錦織千佳子、山下純史、皿山泰子*、原田晋**(*:神戸労災病院皮膚科、**:はらだ皮膚科クリニック)
  • 学会等名: 第41回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会・学術大会
  • 発表場所: 山梨
  • 年月日: 2011-07-16
• [学会発表] UVA急速減感作療法が著効した日光蕁麻疹の2例-作用機序の検討を含めて (2011)
  • 著者名/発表者名: 岸上景子、舛岡恵律子、神保晴紀、西岡美南、内村友佳、福永淳、錦織千佳子
  • 学会等名: 第41回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会・学術大会
  • 発表場所: 山梨
  • 年月日: 2011-07-16
• [学会発表] 痒疹様結節と口腔カンジダ症を契機に診断に至った後天性免疫不全症候群の1例 (2011)
  • 著者名/発表者名: 鷲尾健、田中真実、福永淳、尾藤利憲、岡昌宏、錦織千佳子
  • 学会等名: 第27回日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2011-06-11