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2010 年度 実績報告書

凝固異常による肥満細胞活性化機序と慢性蕁麻疹の病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791077
研究機関広島大学

研究代表者

高萩 俊輔  広島大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40448246)

キーワードアレルギー・喘息 / 免疫学
研究概要

本年度は、凝固因子による肥満細胞活性化の機序を検討するために、ヒト皮膚切片および肥満細胞からヒスタミン遊離を惹起しうる凝固因子を検索した。
ヒト皮膚切片および好塩基球を組織因子(TF)や各種凝固因子(aFX,aFVII)で刺激したが、ヒスタミンの遊離は認めなかった。特に、凝固因子によるProtease-activated receptor(PAR)-2を介した肥満細胞活性化の機序が予想されていたが、PAR2アゴニストであるペプチド(SLIGKV-NH_2)や化合物(AC55541)を用いて刺激した場合でさえ、本年度の実験系では同様にヒスタミン遊離を検出することはできなかった。また、多数の肥満細胞を含む神経線維腫の切片内には、免疫組織学的に多くのPAR-2陽性細胞を認めたが、同切片のPAR-2アゴニスト刺激でヒスタミン遊離はなかった。一方、臨床検体を用いた研究では、慢性蕁麻疹患者血漿中の個々の凝固因子活性は健常人と差はないが、凝固波形解析からトリガーの存在下では凝固能全般が亢進しうる準備状態にあることが明らかとなった。これらの結果は、肥満細胞活性化の機序として、個々の凝固因子との反応だけでなく、蕁麻疹患者血漿中にみられる固有の凝固準備状態での反応を検証する必要性を示唆する。今後は、ヒト皮膚切片と好塩基球を患者血漿自体、あるいは患者血漿存在下でTFをはじめとする各凝固因子で刺激してヒスタミン遊離を測定する予定である。
また、次年度の慢性蕁麻疹患者病変部におけるTF発現細胞の検索を行うため、TF、CD11、CD68、Eosinophilic major basic proteinに対する抗体を用いて、文献的にそれらの発現が確認されている組織を免疫組織学的に染色し、抗体の反応条件を検討した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] シンポジウム4 蕁麻疹の秘められた本質に迫る 蕁麻疹と凝固系の深いつながり2010

    • 著者名/発表者名
      高萩俊輔
    • 学会等名
      第40回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会
    • 発表場所
      広島市(招待講演)
    • 年月日
      2010-12-12

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公開日: 2012-07-19  

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