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2010 年度 実績報告書

Notchシグナルによって制御されるマスト細胞の成熟と抗原提示細胞機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22791091
研究機関順天堂大学

研究代表者

中野 信浩  順天堂大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30420839)

キーワードNotchシグナル / マスト細胞 / MHC class II
研究概要

本研究は、1.Notchシグナルがマスト細胞の成熟や抗原提示細胞機能発現を誘導する分子的機序を解明するとともに、2.抗原提示細胞機能をもつマスト細胞のアレルギー性疾患発症および増悪における寄与を明らかにすることを目的としている。本年度は1の分子的機序について、主にマウス骨髄由来マスト細胞を用いた解析を行った。
マスト細胞は細胞表面に受容体であるNotch1とNotch2を発現しているが、Notch1を介したシグナルのみが抗原提示に最も重要な分子MHC class IIの発現を誘導することを明らかにした。MHC class II遺伝子の転写を直接制御するのはCIITAと呼ばれる転写因子であるため、次にNotchシグナルによるCIITA発現制御の機序を解析した。マウスCIITAには3つのアイソフォームが存在するが、Notchシグナルによってマスト細胞に発現が誘導されるのは、これまでリンパ球でのみ発現すると考えられていたタイプIII-CIITAであり、転写調節因子PU.1の働きが重要であることを示した。また、マウス脾臓中にMHC class II陽性マスト細胞が存在しており、このマスト細胞においてもタイプIII-CIITA発現が認められた。
マスト細胞の成熟に関しては、成熟したマスト細胞にのみ発現するプロテアーゼmMCP-1, -2, -4を指標に解析を行った。これまでマスト細胞の成熟はIL-10やTGF-βなどのサイトカインによって誘導されると考えられていたが、Notchシグナルはサイトカイン非依存的に成熟を誘導した。またこの成熟は、Notch1とNotch2のどちらを介したシグナルでも誘導されることを見いだした。
これらの研究結果により、マスト細胞におけるNotchの基本的な機能を明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Notch1-mediated signaling induces MHC class II expression through the activation of class II transactivator promoter III in mast cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Nakano N., et al.
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Critical role of transcription factor PU.1 in the expression of CD80 and CD86 on dendritic cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Kanada S., et al.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 117 ページ: 2211-2222

    • 査読あり
  • [雑誌論文] マスト細胞による抗原提示とTh2細胞の誘導2010

    • 著者名/発表者名
      中野信浩
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 53(6) ページ: 620-5

  • [雑誌論文] Suppressive effects of transcription factor GATA-1 on cell type-specific gene expression in dendritic cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Shimokawa N., et al.
    • 雑誌名

      Immunogenetics

      巻: 62 ページ: 421-429

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Opposite effects of Trichostatin A on activation of mast cells by different stimulants.2010

    • 著者名/発表者名
      Wang Q.H., et al.
    • 雑誌名

      FEBS Lett

      巻: 584 ページ: 2315-2320

    • 査読あり
  • [学会発表] マスト細胞の成熟に寄与する遺伝子Tescalcinの解析2010

    • 著者名/発表者名
      中野信浩
    • 学会等名
      第60回日本アレルギー学会秋季学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-11-27
  • [備考]

    • URL

      http://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/atopy_center/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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