研究概要 |
健常被験者に7日間日常的な生活を普段通りに過ごしてもらい、その睡眠覚醒パターンを日記式睡眠日誌に記載してもらうとともに、アクチグラフ(非利き手の手首に装着)及びライフコーダ(腰部に装着)を用いて持続的に活動量を測定した。また、被験者には朝型-夜型 (Morningness-Eveningness Questionnaire:MEQ)、日中の眠気 (Epworth Sleepiness Scale:ESS)、睡眠の質(Pittsburgh Sleep Quality Index:PSQI)、抑うつ傾向(CES-D)及び生活の質(SF-36)についての核質問紙に回答してもらい、睡眠覚醒パターンとの関係を調査した。睡眠時無呼吸の有無について、終夜経皮的動脈血酸素飽和度測定を実施した。 平成23年度は62名の健常被験者からデータを収集し、平成22年度と合わせて計94名となった。男性50名、女性44名、平均年齢21.7±3.0歳であった。MEQは平均47.9±8.5点、ESSは平均8.91±3.15点、PSQIは平均5.01±1.95点、CES-Dは平均9.60±6.10点であった。MEQとPSQIの間に有意な負の相関関系(R=0.307,P=0.003)を認め、夜型傾向の人は睡眠の質が悪いことが示唆された。CES-DとEESの間に有意な正の相関関系(R=0.282,P=0.000)を認め、抑うつ傾向が強いほど日中の眠気が強いことが示唆された。CES-DとMEQの間に有意な負の相関関系(R=0.263,P=0.01)を認め、夜型傾向の人ほど抑うつ傾向が強いことが示唆された。 今後、さらに被験者数を増やし解析を進めていく。
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