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2011 年度 実績報告書

近赤外線スペクトロスコピーを用いた広汎性発達障害の診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22791109
研究機関東京大学

研究代表者

桑原 斉  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50456117)

キーワード神経生理学 / 広汎性発達障害
研究概要

平成23年度までに52チャンネルのNIRS機器(ETG4000)を用いて計42名のPDD患者のデータを測定した。42名のPDD患者と年齢をマッチさせた健常対照群42名、統合失調症群42名とを比較した。認知賦活課題には語流暢性課題を用い、課題中の酸素化ヘモグロビン濃度の変化量の平均値を解析の対象とした。52チャンネルの測定値それぞれについて、3群間の一元配置分散分析を行った。多重比較の補正はBenjamini&Hochberg法(BH法)により行った。結果、チャンネル(Ch)1、Ch14、Ch25、Ch28、Ch29、Ch36、Ch46で3群.間の間に有意な差が見出された。Post-hoc解析(tukey法).の結果、Ch1、Ch29では健常対照群よりもPDD群と統合失調症群で有意に賦活が小さかった。Ch14、Ch25、Ch36、Ch46では健常対照群とPDD群で、統合失調症群よりも有意に賦活が大きかった。Ch28では健常対照群よりも統合失調症群で有意に賦活が小さかった。PDD群と統合失調症群で有意な差を認めたCh14、Ch25、Ch36、Ch46の測定値を独立変数として、PDD群と統合失調症群に関して判別分析を行ったところ、68.1%のケースを判別できた。Ch14、Ch25、Ch36、Ch46は右前頭前野(BA9/BA10).であり、統合失調症では異常が認められるが、PDD群では異常が認められないことが示唆された。また、この部位の脳機能の差異を用いてPDD群と統合失調症群を判別できる可能性が示唆された。
健常者での脳機能発達を近赤外線スペクトロスコピーを用いて検討し、"Developmental changes of prefrontal activation in humans:a near-infrared spectroscopy study of preschool children and adults"として、報告しPLoS One誌に掲載された。
また、PDDの病態を画像のみならず多方面から検討するために、PDDの大家系サンプルを対象にエクソンシーケンスを行い、PDDの前頭葉機能異常の基盤となる遺伝子の変異についての解析を行い、"自閉症スペクトラム障害家系の全エクソン解析"として第52回日本児童青年期精神医学会にて報告した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Developmental changes of prefrontal activation in humans : a near-infrared spectroscopy study of preschool children and advilts2011

    • 著者名/発表者名
      Kawakubo Y, Kono T, Takizawa R, Kuwabara H, Ishii-Takahashi A, Kasai K
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 6 ページ: e25944

    • 査読あり
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害家系の全エクソン解析2011

    • 著者名/発表者名
      桑原斉
    • 学会等名
      第52回日本児童青年期精神医学会
    • 発表場所
      徳島県徳島市
    • 年月日
      2011-11-11

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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