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2010 年度 実績報告書

発達障害の特性分布の掌握と多特性複合の客観的指標の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22791122
研究機関京都大学

研究代表者

船曳 康子  京都大学, 医学研究科, 助教 (80378744)

キーワード発達障害 / 自閉症 / 特性 / ADHD / アスペルガー
研究概要

当該年度は、本研究の初年度である。まず、多特性複合の評価法(Multi-dimensional scale for PDD and ADHD)を用いて、PDDとADHDの計179例に対し、Autism with MR, autism without MR, Asperger, PDDNOB, combined-type ADHD, inattentive-type ADHDの6群にわけて特性解析を行った。特徴的な結果として、PDD群でも7割以上(autism with MR 71.3%, autism without MR 77.8%, Asperger 75%, PDDNOS 64.2%)に臨床域に達するレベルの不注意が見られた。また、多動、衝動性についてもPDDのほぼ半数が臨床域に入っていた。一方、ADHD群では、臨床域未満であるが、社会性、コミュニケーションの不得意さがみられた。また、PDDNOSとinattentive-type ADHDの特性分布は似ており、上記の所見も含め、PDDとADHDが近縁疾患であることが示唆された。更なる特徴として、combined-type ADHDのみ、感覚過敏と不器用さが有意に引かった。
なお、特性別の諸検査に関しては、まず、言語発達についてみてみた。自閉症群では、初語25±11ヶ月、2語文45±13ヶ月と定義通り、言語発達に遅れが見られたが、言語に遅れがないとされている他のPDD群でも(Asperger;初語15±3.4ヶ月、2語文26±6.2ヶ月、PDDNOS;初語15±4.5ヶ月、2語文26±6.2ヶ月)、定型発達より平均で3-4ヶ月の遅れがみられた。一方、ADHD群では、初語13±3.1ヶ月、2語文22±4.8ヶ月と定型発達群と変わらなかった。また、初語と2語文の間隔は、精神発達遅滞のある自閉症群以外は、ほぼ一年で定型群と変わらず、初語の月齢と2語文までの間隔にも、相関が見られなかった。
以上のように、今年度は簡便な評価法にて、診断の定義以外の特徴を見出してきた。これらより、診断基準以外の特性も評価していくことの重要性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Development of a multi-dimensional scale for PDD and ADHD2011

    • 著者名/発表者名
      Funabiki Y, Kawagishi H, Uwatoko T, Yoshimura S, Murai T
    • 雑誌名

      Research in Developmental Disabilities

      巻: 32 ページ: 995-1003

    • DOI

      10.1016/j.ridd.2011.10.052

    • 査読あり
  • [学会発表] 発達障害をもつ子どもたちへの理解とサポート2011

    • 著者名/発表者名
      船曳康子
    • 学会等名
      第11回京都東山小児疾患セミナー
    • 発表場所
      京都リサーチパーク(招待講演)
    • 年月日
      2011-01-15
  • [学会発表] 発達障害者の特性理解用レーダーチャートの有用性・信頼性の検討2010

    • 著者名/発表者名
      船曳康子、川岸久也、上床輝久、義村さや香、村井俊哉
    • 学会等名
      第51回日本児童青年精神医学会総会
    • 発表場所
      ベイシア文化ホール・前橋商工会議所
    • 年月日
      2010-10-30
  • [学会発表] 発達障害児の特性理解とサポート2010

    • 著者名/発表者名
      船曳康子
    • 学会等名
      乙訓特別支援教育研究大会
    • 発表場所
      長岡京市中央生涯学習センター(招待講演)
    • 年月日
      2010-07-30

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公開日: 2012-07-19  

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